マハトマガンジーとインデラガンジー

マハトマガンジーはインド独立の父として誰でも知っていますが、では第5代と第8代インド首相を勤めたインデラガンジーは、マハトマガンジーの娘かなんかでしょうか?答えは否です。この両者まったく血縁関係はありません。インデラガンジーは、初代首相ネルーの娘で、英国留学中に知り合い、その後結婚した相手がたまたまガンジー姓だっただけです。実はその夫も政治家を志していたため、政治的に有利になるために結婚前にガンジー姓に変えたとか。

Indira_Gandhi_1977*インデラ・ガンジー                                                        このインデラガンジーさんが首相になったきっかけは、たまたま時の首相が心臓発作で亡くなりなり、ネルーの娘でもあり、既に政治活動もしていたため、周りから担ぎ上げられて首相になったようです。”お飾り” と当初は見られていたようですが、首相になったとたんに指導力を発揮し、良い悪いは別にして社会主義路線を進めたり、バングラデッシュ独立に介入したり大いに活躍しました。しかし、分離独立を目指したシーク教徒を強硬手段で弾圧し、その恨みを買って、1984年シーク教徒に暗殺されてしまいます。後を継いで首相になった息子のラジブガンジーさんも、1991年スリランカ人に暗殺されてしまいました。                 ニューデリーの空港はIGI空港と呼ばれていますが、これはインデラガンジーインターナショナル空港の略で、彼女の名前が冠されております。

このネル一族は、政治家一族としてインドでは”ネルー・ガンジー王朝” などと呼ばれているようですが、いまはどんな人が活躍しているかというと、暗殺されたラジブガンジーの奥さんである、ソニアガンジーさんが国民会議(現在は野党)の党首になっています。

300px-Gandhisonia05052007*ソニア・ガンジー

ところがこのソニアガンジーさんは実はイタリア人です。サリーを着て、歳をとっているせいか、写真からはインド人と区別がつきませんが、生粋のイタリア人。彼女は、インデラガンジーの息子、ラジブガンジーと留学先のケンブリッジ大学で知り合い、結婚しますが、夫のラジブガンジーが1991年に暗殺されてしまったことから”ネルー・ガンジー王朝” の一翼を担うことになったのです。よって、彼女はネルー一族とは血のつながりはありませんが、彼女の息子、ラフールガンジーはネルーさんのひ孫といいうことになります。(ラフルガンジーさんも政治家)                                                    現在はBJP(インド人民党)のモディさんに与党の座を奪われていますので、ソニアさんは野党の党首となっていますが、仮に与党になったとしても、イタリア人であることから首相にはなれない、あるいはならないといわれています。事実BJPが政権を取る前は国民会議が与党だったのですが、ソニアさんが首相にはならず、マンモハン・シンさんが”代理” で首相を勤めていました。

こうしてみると世界最大の民主主義国家と言われるインドですが、モディさんが首相になるまでは、血縁・姻戚がものを言っていたようです。考えてみると、自由と民主主義の総本山を自認するUSAも似たようなものです。親子で大統領を務めたり、あるいはその弟が立候補したり。また夫婦で大統領になろうとしている人もいますし。安部さんもしかりだし、世襲議員が多い日本も同じようなもの。良い悪いはさておき、民主主義とは言ってもどこも似たようなものです。

 

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