Reservation

今回は、カースト制度と深い関係にある、”Reservation”という制度のお話しです。このReservationは”予約” という意味ですが、”確保”あるいは”優先枠”と言ったほうが近いでしょう。以前この駐在記でもちょっと触れていますが、低いカーストの人たちには官庁などの就職に際して一定の優先権があり、その制度をReservationと言っています。                             その話を聞いたときには私は官庁への就職のときにのみ適用されると理解したのですが、なんと大学の入学試験でもこの制度が適用されているということです。しかも40%もの”枠” が与えられているのです。  

社員の一人に極めて優秀なスタッフがいまして、彼が高校生の頃は、インドで最高峰の技術系大学であるIIT(Indian Institute of Technology=インド工科大学)を目指して勉強していました。そして、全国統一試験では全国順位で1665番というすばらしい成績を取ったのです。インドの大学受験生は何人いるのか知りませんが、千万人単位でいるでしょうから、ものすごい結果だと思います。当時のIITは今と違って7校しかなく、募集人員は全体で2400人だったそうです。(現在は17校あり、学部も増えているので、3-4倍の人数、すなわち毎年1万人近くが入学しています) 2400人の枠があって、1665番ですから当然IIT入学の権利が与えられてしかるべきなのですが、Reservationの枠が優先さえたためにIIT入学の資格が与えられませんでした。単純計算すると、2400人の60%は1440人となりますので、1665番だと確かにはみ出してしまいます。なんと気の毒な。これでは逆差別のみならず、国の損失と言っても良いでしょう。                                          1665番目の成績証明書は、彼のお母さんがいまでも大切に持っているそうです。お母さんもさぞ無念であったことでありましょう。

その人気のIITのなかでももっとも人気が高いのがIIT- Kharagpur(カラグプール)というところです。あのGoogleのCEOになったサンダー・ピチャイ氏もこのIIT- Kharagpurの卒業生です。”カラグプールってどこだ?”と思われるでしょう。コルカタ(カルカッタ)から南西に200Km近くも行った、ホテルも無いようなほんとに小さな街です。でもキャンパスそのものは広大で100ヘクタールもあり、インドのIITのなかでは最大、最古の歴史があります。(1952年=独立から3年後に設立) IITそのものが街になっていて、スーパーや病院、小学校、中学校なんでもあります。カラグプールの街そのものは何もなくても、学生含めてIITに関係する人たちは生活には困らないようにして、辺鄙な街にあっても人気を保っているわけです。しかし、日本ではいくら学内になんでも揃っていたとしても、学生も教員も集まらないでしょうね、そんな田舎にあったのでは。

 

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