インドは最大の牛肉輸出国だった!

インドといえば牛は神様扱いで、食べることはおろか、商売にすることも固く禁じられていると思いきや、実際はそうではありません。それどころか、なんとインドは、2014年からブラジル、オーストラリアを押さえて牛肉(水牛含む)の最大の輸出国になっていたのです。最初私はこの記事を良く理解できませんでした。牛を食べないはずのインドが、世界最大の牛肉輸出国なんてあり得ない、と。しかし、その先入観はインドの広さ、多様さを理解しない単なる思い込みでありました。

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ヒンズー教徒(80%)は牛を食べなくとも、残りの人たち、とくに14%を占めるイスラム教徒はじめキリスト教徒、シーク教徒は牛を普通に食べますし、牛を”生産” しているわけです。20%というと3億人弱となり、日本の人口の2倍以上、ブラジルの人口とほぼ同じです。十分な土地もありますから、生産量は巨大で、輸出で世界一になっても不思議ではありません。きっと良いビジネスでもあるでしょう。ローカルスタッフによると、90%以上の牛肉はイスラム教徒によって生産されているという話です。

インドでは州によって、その”牛肉禁止”加減が異なります。下の写真のなかで、赤い地域は牛肉の取り扱いが禁止されている州で、デリーやムンバイが含まれます。黄色の州は特に禁止をしていない州ですが、面積的には大きくはないもののその数は10州を越えます。(インド全体で30州) でも禁止されていない州であっても、ヒンズー教徒であれば、牛を食用のために飼育したりはしませんので、主な担い手はやはりイスラム教徒ということになるわけです。

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ところが最近ヒンズー教の”右派”による”牛肉撲滅運動”が発生し、暴動も起きています。彼らの主張は、”牛肉を食べるようなやつはインドから出て行け” といったもので、牛を殺すことはもちろん、牛肉を持ち歩くことも許しません。3ヶ月ほど前デりーでも、あるイスラム教徒に対し、”牛を殺して、冷蔵庫にその肉を保存している” と言いがかりを付けて、リンチで殺してしまいました。実際には水牛の肉だったようですし、イスラムであれば仮に牛肉であっても殺されるようなことではないはずですが、根本的には宗教対立なのでしょう。そういった事件が続くようになり、牛肉を取り扱って殺されてはたまらない、と牛肉ビジネスから離れる人が増えてきて、危機に瀕している、というのがこの新聞記事の主旨です。同時に靴やハンドバッグなど、牛革を使ったビジネスも巨大なのですが、それらで生活している人たちにも影響が及び大きな問題となっているわけです。しかもそれらの仕事に携わる人たちは、イスラム教徒とともに、Dalitと呼ばれる最下層のカースト(不可触民)でもあるわけです。

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