最安の車Nanoのその後

インドのTata Motorsが5年ほど前に発売したNano. 値段が22万円ほどということで話題になりましたが、インドでもそれほど見かけません。

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Tataモータースの社長が、1家4人が1台のバイクで移動する日常風景を見て、”手ごろな値段で、雨の中でも安全な移動手段を提供したい”  の一言で開発が決まったと言われるNano。それまで国内のベストセラーで最安値のマルチスズキ(800cc。日本のスズキアルト。Nanoは670cc)が20万ルピーであったところを、10万ルピーで買える4人乗りの車Nanoですが、ビジネスとしては失敗だったようです。2012年がピークで75,000台ほど売れたのですが、今はその1/3以下に落ち込んでいます。なにせ安いだけでなく、性能、安全面もまったく基準に達しておらず、しかもRF(エンジンが後ろ、駆動輪が前輪)というわけの分からないコンセプトで、道路事情の悪いインドではエンジン部が直接路面と接触したり、シャフトがあるので重量が重くなりパワー不足だったり。ただ安いだけというのでは、さすがに価格にうるさいインド人でも買ってくれなかったようです。今年2世代目が発売になったのですが、各種安全装置などを充実させて約20万ルピー弱と、もはや世界最安値とはいえないものになってしまいました。

インドといえども10年前には考えられなかった車が今は普通に走っています。アウディ、BMW、ベンツ、レクサスなどなど。みなそれらはインド製ですが、たとえインド製であったとしても、スズキマルチやトヨタの大衆車にくらべらたそれなりの価格はしますので、金持ちは相当増えたに違いありません。  ところが、形は間違いなくアウディでありBMWなのですが、どこかツヤがなくて、本来のものとは違って見えます。そもそも泥とか砂で汚れているという事もありますが、原因は砂が混じったような汚い雑巾で、ボディーを拭いているせいだと思います。そういう車専門の掃除人夫がいたるところにいて、格安で毎朝”きれいに” してくれます。でも、見ているとほとんど水を使っていません。大げさに言えば、細かい紙やすりで拭いているようなものです。あれでは細かい傷だらけになるでしょう。私が使っている社有車も、月300ルピーほどで掃除をしてもらっているのですが、最近若干ツヤ消しのようになってきた感があります。

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*街で見かけたアウディとベンツですが、BMWやレクサスなど含めて、そんな高級車が並んで走っているのを見ることも珍しくありあません。

 

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