黄熱病予防接種

黄熱病と言えば野口英世が思い出されますが、野口英世ほど毀誉褒貶の激しい人も珍しいのではないでしょうか。彼の業績はゼロに等しいという人もいれば、全部ではないにしても研究業績は偉大なものである、という人もいます。また、彼をペテン師、結婚詐欺師などという人もいますが、少なくともノーベル賞候補にもなったのは事実のようだし、千円札にもなっているのですから、研究においては一定の業績はあったということでありましょう。

さてその辺の真偽はともかく、私は黄熱病の予防接種をしなくてはならなくなりました。理由は、9月末にインドを離れブラジルはサンパウロに異動することになったためです。                                                    たまたま8月25日の週に日本に一時帰国することになっていたので、その間に予防接種するつもりで、予約を入れようと電話してみました。東京近辺で黄熱病の予防接種してくれるところは、東京検疫所、横浜検疫所、日本医大、(財)日本検疫衛生協会など数ヶ所あります。”黄熱病の予防接種をする人などそうはいないだろう” とタカをくくっていたのですが、8月15日ごろ電話してみるとどこも                                    ”8月の予約は既にいっぱいです。9月3日以降の予約になりますが” という信じがたい回答というか案内です。                                              ”えー!何とかなりませんかひとりぐらい。これこれこーゆー事情なんですけど・・・”           ”すみませんが、9月以降でお願いします” となんとも冷たいご返事。

もっと早く予約しておくべきだった! でもこのままではブラジルに入国できないことになってしまうかも。9月1日に帰国予定の日本滞在を延長するか・・・                ”いや、そもそも病院に行くなら日本で、という発想が間違っている。歯医者でさえインドで問題なかったではないか。伝染病の宝庫といわれるインドで黄熱病の予防接種がないわけがない!”                                                 早速会社のアドミスタッフに調べてもらうと、30分もしないうちに、                 ”IGI空港近くにある施設で、月曜日と火曜日と金曜日に実施しています。パスポートを持って10:00に現地に行けば順番にやってくれます。料金は300ルピー(500円ほど)です”             ”えっ!たったの300ルピー!?” ”はい、現金で払ってください”                 上記の日本の施設のサイトによると17,380円とあります。なんと35倍ほどの違い!     いくら物価が安いインドといえども本当かー??

Govindちゃんに連れられて、早速月曜日に指定の場所に行ってみました。もうすでに30人ぐらいが入り口で待っています。Govindが ”あちらで受付手続きをしてください” というので、パスポートを見せながら、名前を告げて順番を待っていると、10時を少し超えたあたりに、記帳の順番どおりに建物のなかに案内されました。珍しく”順番” を守っています。

*Airport Heath Organizationの建物の入り口で、順番に入るところ。来た順に名前を記載した後です。

私を除けばすべてインド人。みんなどこに行くんだろう?なんのために予防接種するんだろう?などと思いながら、再度”本受付” を済ませて、順番カードをもらいました。35番目です。アレルギー体質かどうか、既往症があるかなどの調査票に記載して、待合室で一時間半ほど待たされた後、隣の”接種室” へ案内されました。 何せ300ルピーですから                                        ”まさか同じ注射針を使い廻しているんじゃないだろうな” などといぶかりながら、医師と思われる人を背後から覗き見ると、一応一人ひとり違う注射針を使ってようで、まあ一安心。

*館内で再度正式受付。同じことを2度繰り替えすあたりはインドらしいところです。しかも机に座っている左の人とPCの前に座っている人は同じことをしています。(手書きかPCに入力するかの違い)

*右の白衣の人が医師(注射をする人)。その後、左側で300ルピーを支払い、証明書に必要事項を書き込みました。その場でもらえるなら良かったのですが、この後別室にてたっぷり待たされて、うやうやしく手渡していただきました。合計所要時間3時間ほど。

ずいぶん時間がかかったけど、これは安い!しかもこれで一生有効だそうです。(昔は10年保障でした) それにしても日本の価格ってどうなってんだ?

*黄熱病予防接種の証明書。日本では17,380円のうち、880円が証明書交付料ということです。

というわけで、9月末をもってインドを離れることになりましたので、このインド駐在記も終わりに近いです。これまで読んでいただいた皆様ありがとうございました。            ブラジル駐在記も始めようかと考えていますが、その際にはこのサイトにご案内しますので、興味のある方は覗いてみてください。

 

 

黄熱病予防接種」への4件のフィードバック

  1. 前略
    インド駐在記が終了とは、大変悲しく感じております。
    海外ブログは、現地の方と結婚した女性の筆による場合が多いようなので、現職の駐在員の方のブログは、読み応えがあります。 
    「アマゾンは燃えている」のブラジルへご転勤とのこと。 
    ブラジル駐在記を期待しております。 
    お気をつけて。

    1. 引退寸前の婆様

      コメントありがとうございます。メールアドレスからするとオーストラリアにお住まいでしょうか。私も以前6年弱ほどシドニーにおりました。インドと比べると天国です。
      でもインドもそれなりに面白いところもあり、また良いところもあったように思います。
      ブラジルは行ったことがないのですが、果たしてどうでしょうか。知っている人はみなさんインドよりはマシと言ってくれるのですが。
      インド駐在記同様さぼり勝ちになるかとはおもいますが、再開するつもりです。購読そして応援重ねてお礼申し上げます。

  2. 竹内さん、ブラジルに転勤とのこと。インド勤務おつかれさまでした。シドニーにまた遊びに来てください。サンパウロからシドニーまで、太平洋をひとっとびの飛行機便があればいいのですが。こちらシドニーは、冬の終わりで、暖かい光が春の雰囲気を出しつつあるところです。シドニーの藤田

    1. 藤田さん
      長いあいだ読んでいだだきありがとうございました。
      シドニー、遊びに行きたいですね、とっても。サンパウロはインド(デリー)よりもマシだとは思うのですが、なにせ遠いのが難点です。そしてちょっと危険なのも。
      でもまだ行ったことがないところなので、それはそれで興味があります。また発信するように努めますので、応援お願いします。竹内

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