スラム街ツアー その1

インドのスラム街といえば、その存在を知らない人はいないと思われますが、インドに住んでいる私でも、実際に行ってみるのはなかなか簡単ではありません。             のこのこ一人で行く気にもなれないし、だからといって会社の地元民に連れてってもらうというのも頼みにくいような気がして、一度行ってみたいと思いつつもこれまでチャンスがありませんでした。                                                   ところがある日、インドでガイドを仕事にしている友人から、”スラム街ツアー” という企画もやっているという話を聞き、即決、参加してみることにしました。ガイド付きで2時間ほどのツアーが1,500ルピー(2,500円ぐらい)とお手ごろなお値段です。                              これまでスラムというとムンバイとかコルカタが”本場” とイメージしていたのですが、デリーでも50箇所近くあるそうです。その日はその中でも最大規模である、Anand Parbatというスラム街で、5-6万人も住んでいます。スラム街というと、掘っ立て小屋がぎっしりと建ち並び、狭い路地に人々が何もしないでたむろしている。水道も下水もなく、飲み水やトイレはどうしているのか不明。電気はあったとしても”盗電” したものを使っている程度であろう、なんてイメージがありましたが、実情やいかに?

*スラム街を上から見た写真です。もちろんほんの一部です。上から、とは高架道路の上から撮ったもので、そこから階段を下りるとスラム街に続いています。

 

*スラム街に入るといきなりトイレがありました。でもこの先トイレを見たのはここだけだったと思います。5万人もいるんですから、ほかにもあるんでしょうが、多くは青空トイレ(線路の脇など)で済ましていると思われます。

*当たり前といえば当たり前なのですが、スラム街の住人もちゃんと仕事をしていました。 ここでは金具を加工してメッキを施しています。右の写真の左側にメッキを施す反応槽が見えます。

*空き缶を解体して、再生するための加工所です。缶の胴体部分と縁の針金のような部分などを分けて”出荷” しているようです。

*このおじさんはプレス機を作っておりました。下がその製品です。

*上のおじさんたちが作ったプレス機。一台30万ルピー(50万円ぐらい)から80万ルピーで売れるそうなんですが、それを10日間ほどで作るとか。本当かなあ?本当だとすれば一日5万円の売り上げで、利益率が20%としても1万円(6,250ルピー)の収入となり”高額所得者”の部類に入ってしまいます。インド人の話だから半分以下に聞いておきましょう。もっとも作るそばから売れるというものでもないでしょうが。

*プレス機を作っている反対側にあった工作機(旋盤)。プレス機の製作とは直接関係ないとのことでした。

*ここはトラックとともに積載重量をチェックする”量り”です。スラム街の一角にはこんな設備までありました。ここで適切な積載重量を確認して、製品を出荷していると思われます。

 

*途中倉庫のようなところで一服。住人(働いている人たち)にコーラをご馳走になりました。”座って一服していけ。チャイはどうだ?なにか冷たい飲み物はいらないか?”などとやけに親切です。ツアーコンダクターによると、私(客)が払う料金の一部はスラムに寄付されるとか。だからというわけでもないだろうけど、興味本位で覗きに来た人たちになぜそんなに親切なのだろうか。 ---続く

 

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