ずぼら

11月6日に投稿した”池袋の夜” を読んだある読者から、                      ”驚きました。昔近くに職場があって、写真に写っている美久仁小路の「ずぼら」には昼も夜もよく行ってました(昼はもちろんランチ)” というコメントをいただき、私も「ずぼら」という店を撮るつもりの写真ではなかったので、ちょっとミステリーっぽいめぐり合わせのようなものを感じ、”今度日本に行ったら是非行ってみよう” なんて思っておりました。                          幸い池袋は電車一本で20分ぐらいで行けますので、今回の一時帰国で早速行ってまいりました。道を隔てて1号店と2号店があるのですが、両方あわせても30人も入れないくらいのこじんまりとした店です。一階はカウンターのみで、数席開いていたカウンターがタッチの差で2-3人の外国人(たぶんヨーロッパ人。だけど日本語で話してました)に席を取られたので、2階に通されました。この店は外国人にも有名なのだろうか。あるいは日本に住んでいる常連外国人か。

*写真に写っているのは2号店の方で、私は反対側の1号店を訪ねました。

2階席はカウンターと2つほどのテーブルがあり、カウンターには2組、テーブルには1組のどちらもご老人カップルです。みんな常連のようで、カウンター内のマスターも交えて皆仲よさそうに盛り上がっておりました。                                      そこにスーツ、ネクタイ姿はちょっと場違いな感もありましたが、仕事帰りなので仕方がありません。なにやら池袋の昔話に花が咲いています。終戦後の闇市のこととか、昔のこの店の近辺の様子だとか、皆さん池袋とともにその時代を生きてきた人たちなのでしょう。

*ご老人たちが帰ったあとこっそりと撮ったものです。その日は好物のアンキモが食べられて幸せでした。

飲み始めて5分も経たないうちに、                                               ”お兄さんはここは初めてですか?” なんて隣のテーブルの老婦人に話しかけられ、  ”はい、初めてです”                                           ”どちらのご出身?”                                             ”長野ですけど”                                               するとカウンターに座ってるおじさん(おじいさん)が ”私の親も長野の出身ですよ”        また隣のご夫人の旦那さんと思われるご老人は ”私は長野に親戚があってそこに疎開してたですよ” なんて、疎開という話はもちろん知ってはいますが、考えてみると実際に疎開していた人に会ったのは初めてかも知れません。そのうち私が ”そういえば蛍の墓なんて小説というか映画がありましたが・・・” なんて言ったとたん、3組とも一気に話に加わって、      ”あの映画なんてまだマシだよ” ”えーー!?そうなんですか・・・”               そして、野坂昭如がどうの、その親父がどうのと詳しいこと詳しいこと、驚きました。皆さん野坂昭如とほぼ同世代で、彼は、彼らの世代を代表する作家の一人ということなのでしょう。                                                     ”何年生まれ?” ”昭和XX年です”                                 ”現役のせいか若くみえるわね” なんて、この年になると若く見えると言われて悪い気はしませんが、彼ら諸先輩も元気なこと。毎日この店に来ているとか。それも納得できるようなアットホームな店の雰囲気でありました。池袋もいい感じです。

*美久仁小路の奥。”♪さよならなんて言われない~夜の池袋~” なんて歌われたのが分かるようです。でもなんで”言われない” なのでしょうか。

ずぼら」への2件のフィードバック

  1. ローカルな酒場は
    (^^♪知らぬ同士が小皿たたいてチャチキおけさぁ~
    みたいな雰囲気になりますよね。
    前回の一時帰国の際に上野のせんべろ
    (千円でべろべろになるまで飲める店)に行った時に、
    隣のお婆さん二人組に話しかけられました。
    当方は同世代の女子三人(ちなみに全員独身)でしたので、
    三人合わせて150歳以上ですよ、と言ったら驚いてました。

    久々にずぼらに行きたいですね。十年以上ぶりですが。

    1. サントーシーさん
      チャンチキオケサですね、小皿たたいてって感じではなかったですが。三波春夫もたしか新潟県の出身かと。
      せんべろもぜひ行ってみたいところです。

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