乗車拒否

モンスーン期を迎え、空気も澄んできて気温もそこそこ下がってくると、オートリキシャーも悪くありません。Ola Taxiの小型タクシーを使ってもさほど値段は変わらないのですが、オートリキシャーの方が簡単に捕まり、値段交渉という面倒はあるものの、待ち時間もなく使いやすいのです。

*デリーの3輪オートリキシャー。たまにこの車に7-8人近く乗っているのを見かけることもあります。ほとんどアクロバット。

ある日、自宅の近くから来客が泊まっているホテルまでオートリキシャーをで行こうと、そこそこの道路に出るとすぐにつかまりました。”New Friends Colonyのスルヤホテルまで” と言うと、一瞬考えて”No” と断わられてしまいました。オートリキシャーのくせに乗車拒否かよ!?と思いつつも、そんなに遠くでもないはずなのにおかしいな、とおもいつつも、すぐに次のオートリキシャーが来たので、同じように行き先を告げると、やはり乗車拒否に会ってしまいました。??? 3台目もすぐに捕まり、こちらは問題なくホテルまで行ってくれましたので(70ルピー=約110円)、それほどイライラはしなかったものの、それにしても2台続けて乗車拒否に会うとはどういうことであろうか?みんな守備地域が決まっていて、よその地域には行かないのだとうか?                                       ホテルに着いてから会社の地元スタッフに聞いてみると、                           ”いやそうではなくて、多くのオートリキシャーの持ち主は運転手とは別で、時間毎に借主が決まっている。もし次の借主の使用時間が近くて、返す場所(たぶん持ち主のところ)が行き先と大きく違っていたら、断られるんですよ” ほうほう、そういうことですか。             ”オートリキシャーのおよそ70%ぐらいは運転手と持ち主が別なんです。リキシャー(人力車)も半分近くがオーナーは別だと思いますよ”                            ここにも地主と小作人のような、持てる者と持たざるものの厳しい現実が。もっとも日本のタクシーも個人タクシー以外は皆会社所有のものを”借りている”わけだから似たようなものですが、でも日本の場合は”会社員” というステータスですから、ちょっと違いますね。

*こちらは(人力)リキシャー。10ルピー(16円ぐらい)単位の料金です。日本に来た会社のスタッフが、”日本にはリキシャーが無くて不便だね!” とぼそっと一言。

そういえばシンガポールのタクシー運転手も、ほとんどが車を所有している会社から車を借りて仕事をしていました。たとえば一日の借用代が100-ドルとすると、200ドル稼ぐと半分の100ドルが自分の収入になるというわけです(もちろんガソリン代等は別ですが)。シンガポールは車の価格が異常に高いので、車を買えないけれど使いたい人は、このシステムを利用して、借用代だけ稼いであとは自分の車として使っている、なんて年配の運転手に会ったこともあります。毎日友人とマージャンをするために車が必要だとか。

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