新紙幣ショック その後

その後、まだ十分な新紙幣が準備出来ていないため、多くのATMはサービスを休止しています。銀行には旧紙幣から新紙幣への両替もしくは銀行口座からの引きおろしするための長い列がならび、中には2時間も3時間も待ったあげく紙幣の”品切れ” に会い、銀行の器物を壊すなどの八つ当たりする市民もいるようです。”混乱は必至” といわれた今回の新紙幣ショックですが、私自身はクレジットカードや小切手が使える限りはそう困ることはありません。これまで、どうしても現金が必要だったのは、ゴルフ場でのチップ(300ルピー=500円ほど)や新聞代(170ルピー/月)、駐車場料金(20ルピー)の支払いぐらいです。                         もう数日したら銀行の行列も空いてくるでしょうから、その時になったら現金を下ろし、旧紙幣を換えてもらうつもりです。                                      銀行に並ぶ多くの人は銀行口座やカードを持っていない人なのです。以前もちょっと触れたことがありますが、インドでは銀行口座を持っている人は何と全体の半分以下です。日本では考えられないですが、それでも以前は20%ほどで、最近になって銀行口座を持つ人が急増した、という状況です。                                        新聞によりますと、今回の決定は市民の91%が支持しています。それだけブラックマネーが一般に知られ、問題になっていたということでしょう。

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*銀行の前で列を作る人々。預金をおろす人、紙幣を交換する人、女性、年配者とそれぞれ窓口は別れているそうですが、多くの場合途中で”品切れ” になってしまったようです。

11月8日の午後8時にモディー首相から、TVを通じて直接国民に通達されたわけですが、その2時間前に、全閣僚を集めて新紙幣切り替えについて通知されました。実はブラックマネーを一番持っているのは政治家なのです。その他ではビジネスオーナー、貴金属取り扱い店、不動産屋などが最大ブラックマネー保持者、すなわち脱税者といいうことです。    集められた閣僚の中にも相当数の”保持者” がいたはずですが、6時に告げられてからは、会議室から一歩も出られず、また携帯の電波が通じないようにされていたそうです。                               7時には各銀行の頭取がムンバイに集められ、RBI(インド準備銀行=インドの中央銀行)の頭取からこのニュースが告げられました。それまでこの政策を知っていたものは4名しかいなかったといわれています。                                      実は、今回のような新紙幣への切り替えによるブラックマネーの撲滅を扱った映画が過去2度も製作されました。事実があってそれを元にした映画、というのが一般的ですが、今回は順序が逆でした。でも、8日の夜の出来事はまるで映画を見ているようです。

実はこの政策が実施される何ヶ月も前から、”自宅に現金を保持しているものは8月15日の独立記念日までに銀行に預けなさい。今回はそれがブラックマネーであろうとなかろうと出所は問わない。いずれは断固たる処置をとりますよ” といういわば救済策がアナウンスされていたそうです。実はこれまでも何度となく”ブラックマネーを撲滅しますよ” という話しはあったのですが、実際には何もされなかったので、多くの人は今回のモディーさんの呼びかけも本気にしなかったそうです。8日8時の臨時ニュースの知らせには、”パキスタンと戦争が始まったか” などと思って人もいたようです。                          この”銀行口座開設期限” は9月末まで延長されたのですが、その時集まったお金というか銀行に預金された金額は日本円にして1兆円ほど。それでも政府は実際にはその3倍の3兆円あるとと見ていました。今回の措置で、残りの2兆円が一気に紙くずになったわけです。

インド現地では連日この新紙幣ショックで話題もちきりですが、1外国人としてはなかなか貴重な体験でありました。中国などもブラックマネーが膨大であろうと思われますが、マネして実施したらどんなことになるのでしょうか。

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*2,000ルピー新紙幣。やはりガンジーさんです。すべての紙幣にはガンジーさんが登場します。裏側はなんとサテライトがデザインされています。火星までロケットを飛ばすなどインドも宇宙大国のひとつであるということでしょうか。

 

 

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