新聞記事より

今日は新聞記事を2つ紹介します。                                一一つは素手で下水を掃除するという話です。(5月15日 Time of Indiaより)             首都であっても下水システムが半分も普及していないデリーでは、モンスーン(雨季)が近づくと下水というか溜めておくだけの汚水処理場ですが、掃除をする必要があります。単に溜めてあるだけで、流れていってくれるわけではありませんので。               ところがその掃除するのに人間が素手でやっているという記事です。生活排水、糞尿その他もろもろ混じった汚水につかり、手袋をはめるでもなく、長靴を履くでもなく、素手で堆積した汚物を取り出し、掃除するのです。日当は300ルピー(約550円ほど)ですが、間にエージェントが入るので実際に本人に渡るのはその半分ほどだそうです。深い穴であったりすると、有毒ガスのために死ぬ人も出たり、また感染症を患ったりするので、デリー市では、2013年から素手での下水掃除は法律で禁止しているのですが、まだまだ普通に見られるようです。考えただけでもぞっとするような仕事ですが、需要と供給がある限りはなかなか無くなくなりません。仕事の後、手は洗うでしょうが(石鹸を使うかどうかは不明)、その手で直接食事するわけですから、気持ち悪いのもさることながら、病気に感染してもなんら不思議はないですね。ちなみにこの種の仕事をする人たちはValmikisという下位で、国から保護されたカーストに属す人たちだそうです。

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二つ目は、デリーの出生率が1.8しかないという記事です。 (5月14日 Times of Indiaより)                        インドは中国と並ぶ人口大国ですが、中国のような一人っ子政策など採っていませんので、国全体が相変わらす人口爆発状態かというと、必ずしもそうではありません。デリーなど都市部では出生率が1.8と米国やフランス、オーストラリアなどより低いのです。       (そうは言っても日本よりは高いですが)                               確かに会社のスタッフを見回してみると、デリーオフィスだけでも、結婚して子供を持っている人は6人いますが、そのうち5人が1人しか子供を設けていません。なぜ一人しか持たないの?と聞いてみると、即”教育費が大変だから” という答えが返ってきました。いずこも状況は似たようなもののようです。このままだと良い教育を受けられる子供の割合は相対的に減ってゆくことになります。良い学校で教育を受けたからといって、頭が良くなるとか幸せになれるというものでもないでしょうが。

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