カースト制度ー4

久々のカースト制度の話題です。でも、これまでカースト制のタイトルは付けませんでしたが、このブログでは時々触れています。たとえば12月24日の投稿”Reservation” もカースト制度に関する話題です。                                                 今日はそのReservationをめぐる最近の事件を紹介します。                                                Jatという階層のカーストがReservationの権利を自分たちにもよこせ(増やせ)!という大規模なデモや衝突で60人も死者がでています。Jatの一団は暴徒と化し、デリーの上水道を破壊し、1,000万人ものデリー市民が水不足で困っています。デリーの人口は1,600万人いますので、6割強ほどが被害を蒙っていることになります。復旧には2週間ほどかかるので、いまのところ給水車で水を配給し凌いでいます。何人かの社員も被害者です。水が無くてどうして過ごしているの?などと聞いても、女性の社員などは困ったように微笑むだけです。シャワーも浴びてないし、トイレも流れません、なんて言いたくないでしょうからね。

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さてこのReservationというのは何か?”復習” になりますが、これはある下層のカースト(たとえばDalitやアンタッチャブルなどと呼ばれている)に与えられた”特権”ともいうべき優先権です。大学の入学試験や政府機関に就職するときなど30-40%もの優先枠が設けられていますが、Jatという階層はそれよりはやや上のほうなので、10%ほどしか枠が無いそうです。それをもっと増やしてくれ、というわけです。                        仮に40%の枠がもらえるということは、たとえば大学にしろ官庁にしろ、1,000人募集するところに400人分はある特定のカーストのみ優先的に採用される事になります。成績が2,000番であっても、3,000番であってもあるカーストのなかで400番以内であれば入学が許可される、ということになります。これは傍からみると実に不合理な”逆差別”と思いますし、表向きはカースト制度は存在しない事になっているはずなのに、公に存在を認めていることにもなります。多くのインド人も同様に考えていると思われます。

実はJatという階層はとても裕福な人たちが多いそうです。土地を持っている人が多く、デリー周辺では、昨今の開発ブームで”土地成金” がいっぱいおり、ベンツやAudiに乗ってデモに参加したり、それらの車をバリケードに使ったりと、ちょっと違和感があります。ではなぜそのような人たちが不満を表明するのか?それはこの”逆差別” によって子供たちの教育の機会が減らされ、役人への道も狭められているという事実があるからです。わからなくもないですが、この”Reservationシステムを止めろ” というのなら理解できますが、”自分たちにもっと枠を増やせ” という主張はいかがなものでしょうか?                       実はこの騒動、政治的に利用されているだけだ、というのが一般的な見方です。野党(国民会議など)がこういった材料を政治利用し与党(BJP)を揺さぶっているわけです。政権与党はとうとうなんらかの救済策を講ずる、と声明をだしたようですが、果たしてどんな提案になりますか。

ある社員の家庭では、子供に今回の事件のことを質問され少々困ったという話です。なぜなら、その家庭ではカースト制そのものを教えていなかったので、”カーストって何?” という話から始めなければならなかったわけです。都市部の家庭、特に教育のある家庭では、上述のようにカースト制度はもはや存在しないものとして扱っていることがわかります。

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