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民事訴訟最終通達書?

日本に一時帰国しインドに戻る当日の朝、郵便受けをチェックすると、10通以上のチラシやDMに混じって一通の私宛のはがきを発見しました。裏を見ると”民事訴訟最終通達書” とあり、”貴殿は契約不履行により訴えられている。訴訟取り下げ期日最終日までに連絡されない場合は、裁判所の認可を受けた執行官立会いのもと、貴殿の所有する資産(動産・不動産等)を差し押さえの可能性があります” とあります。                             なんだこりゃ??しかも訴訟取り下げ最終期日は 平成31年2月22日、とあります。それは一昨日のことではないか。

何かの間違いとは思うけど、表には私の(日本の)住所と名前が間違い無く書かれています。うーん、何だろう・・・去年父親が亡くなったけど、その関係でなにかあるのか?はたまた家族がなにか関係しているのか?                                                     その日は日曜日なので、訴訟通知センターと書いてある電話番号には繋がりません。家を出るまでにはあと3時間ほどです。無視してインドに帰って、それから連絡してみるか。それとも帰国を延ばしすか。インドに帰って連絡を取って、ひょっとしたらすぐまた日本に帰ることになりかねないことを考えたら、インドへの帰国を1-2日延ばしてクリアーにして帰るのが得策であろう、と判断。ANAに連絡し、フライトを2日ほど後ろに延ばしてもらい、既に空港に到着している宅急便やインドの事務所関係者にも連絡。訴訟通知センターと連絡が付く翌日の月曜日を待つことにしました。

一旦時間的余裕を持つと、やや冷静になれます。これまでこんな連絡をもらったことはなかったし、おそらく22日か21日にそのはがきが配達されたものと思われるのですが、そんなぎりぎりの期日を記載するのもなにか作為を感じます。実際そんな”訴訟通知センター”なんてものがあるのか?住所は千代田区霞ヶ関1-1-3とありますので、Google Mapで検索すると、確かに東京簡易裁判所が出てきます。                                では電話すれば休日であってもきっと留守電で ”こちらは訴訟通知センター(あるいは東京簡易裁判所)です。本日は休日ですので、月曜日から金曜日の朝9時から・・・”といった録音音声が流れるに違いない、と試しに電話してみました。                                                 プープープーと話し中の信号音です。しばらくして再度かけてみても同じ反応。うーん、ますます怪しい。では東京簡易裁判所を検索すれば、訴訟通知センターというところがあるかどうかはわかるに違いない、と裁判所の組織をみても無さそうです。                     やはりこれは新手の詐欺ではないか? 連絡すると言葉巧みにお金を振り込ませるという振り込み詐欺の応用編。 ふん!仮にそうだとしてもだまされるものか。

明日電話してみるつもりで、その日の夕方いつもお世話になっているGoogle先生になんとはなしに ”訴訟通知センター” で検索してみると・・・出てきましたです。上から7番目ぐらいに 「架空請求に関するハガキ等を送りつけてくる事業者名等一覧」というのが見つかり、その中のサンプルのひとつに、私がもらった内容とまったく同じ文面が載っており、”このような通知をもらっても決して電話しないでください”とありました。                                       なーんだ、やはりインチキだった。Google先生ありがとう。通知センターではなくて、”訴訟管理センター” と名乗る者や、はがきに桐の葉(日本政府のシンボル)のすかしを入れてもっともらしく見せるものなどいろいろバリエーションがあるようです。

しかし何で私に?海外で生活していることは知らないのであろう。しかし、年齢がかなり上であることは把握しているに違いない。20歳やそこらの若者に送ったところで、”債務不履行” なんて別世界の出来事と思って相手にしないだろうし、子供もある程度大きい必要もあるでしょう。そして少しぐらいボケていることも期待しているかも。この辺が個人情報が漏洩することによる被害ということであろうか。                                インドでは、日本人はうそをつかない民族、と思われております。まあ、当たらすとも遠からずと思うのですが、振り込め詐欺から始まって、昨今の巧妙な詐欺手口を見るにつけ日本人のひとりとして誠に残念でなりません。とにかく皆さん気をつけてください。

 

人気のしんちゃん

インドでも”クレヨンしんちゃん”がとても人気です。毎日夕方から”まんがチャンネル”で放送されており、多くの子供たちは楽しみにしているそうです。ちょうど仕事から帰る頃の時間帯にやっているので大人もけっこう見ているとか。もちろんヒンズー語にふきかえていますが、以前書いた” 巨人の星(スーラジ・ライジングスター)” とは違って、ストーリーはオリジナルのままです。ただ名前はクレヨンが付かなくて、単に”しんちゃん”です。苗字も”野原” なんですが、お母さんは”みさえ” ではなくて”ミツイ” と言うそうです。インド人の発音が独特なので、野原もミツイも一回聞いただけでは分かりませんが、ミツイの方はなんど聞いてもミツイと聞こえるので、名前を変えているのでしょう。”みさえ” というのはヒンズー語で変な意味があるのかも知れません。

”日本はあの漫画のままと思っていいんですか?”                           ”まあ、そうですね。描かれている風景や生活はほぼリアルな日本の日常って感じですね。実は、どの漫画も実際の町が設定されているんですよ。しんちゃんの場合は春日部市というところで東京の隣の県になるんですけどね”                                ”どらえもんなんかもそうなんですか?”                                 ”そうですよ。どらえもんは確か東京の練馬区だったかな”                        ”どらえもんの好物、どら焼きって本当にあるんですか?(Dora Cakeといいます)”                      ”もちろん。私も大好きだけど、インド人はあんこが嫌いとか聞いていたので、これまで買って来たことはなかったけど、食べてみたい?”                            ”ぜひぜひ!これまで本当にある食べ物とは思っていなかったし。”              またある女性社員は、                                             ”私もしんちゃん大好きですよ。結婚する前にはいつも見てましたよ。トムとジェリーより人気がありました”                                               ”はあ、トムとジェリーですか・・・”

これから日本に一時帰国です。私もたまにはどら焼きを食べたいので、ちょうどよかったです。インドからのお土産を考えるのも大変ですが(ほとんど何もない)、食には非常にコンサバなインド人へのお土産を考えるのも結構気をつかいますので。

 

クリケット体験 その2

さていよいよ生まれて初めての、そして最後になるであろうクリケット体験です。      ラッキーなことに事務所からすぐのところに公共の運動場があって、クリケットだけでなく、テニスコートプールや卓球場、ヨガ道場なども。クリケット場を借りるのに、一人1,200ルピー(1,900円ぐらい)は、インドにしてはちょっと高い感じがします。クリケットは裕福な人が楽しむスポーツなのかも知れません。

*ヨガクラスの案内と右がクリケット場の入り口。

最初のイニングは攻撃側(打者=バッツマン)で、3番打者を指名されました。しかし、野球とは違い3番、4番が好打者というわけではありません。アウトにならなければ一人で何点でも得点できるのです。理論上は無制限に。打ったらバットを持ったまま15Mほど走らねばならず、それが続くと結構疲れます。片道走ると1点、往復で2点得点となります。                                                      ピッチャー(ボウラー)は、チームのなかから6人がそれぞれ6球ずつ投げます。(もちろんいろんなバリエーションがあります)野球のように投げる専門がいるわけではありません。独特なフォームで、一般的にはワンバウンドで投げて、打者の後ろにある”ウィケット”と呼ばれる3本柱に当てて、上に載っている”スタンプ”という木片を落とすことで打者をアウトにできます。打者はボールがウィケットに当たらないように、打ち返すわけです。

*試合開始直前。天気に恵まれ、皆さんやる気十分です。

*このバッツマンが大変上手で、確か一人で50点以上稼いだと思います。

*クリケット専用の得点記録用紙。誰が何点取ったかが、そして合計得点が一目でわかるようになっています。

早速”クリケット体験その1”に読者から感想が寄せられました。                     ”ルールは分かったけど、何が面白いのか分からない” と。うーん、確かにそれも分かるような気がします。クリケットの場合は前後左右どちらに打ってもいいので、バットに当たりさえすればいくらでも得点できそうな気もします。しかもバットは丸い棒じゃなくて、平べったい板のようなものですので、当てるだけならそう難しいものでもありません。でもそんな風に感じるのは”草” クリケットだからでしょう、たぶん。                                             それにしても、この日は改めて自分の歳を感じました。ちょっと走っただけで疲れる、ボールが取れない、投げられない・・・自分の頭のなかではキャッチできるはずだと命令しているのですが、なぜか手にも触らずすり抜けていってしまいます。動体視力が落ちるというのはこういうことなのだろうか。投げても、30mぐらいしか投げれません。”こんなはずではない!” と思っても、頭のなかと体は大きく乖離しているようで、情けないことこの上なし。よってピッチャー(ボウラー)なんてとてもとても。                                              そうなると、やはりいまいち楽しめません。 2イニングのみやって私は引き上げましたが、ランチの後、多くのメンバーは3イニング目を楽しんでいました。やっぱ、みんな若いしな。 私には、”そんなに面白いか??”と思えても、彼らはクリケットの楽しみ方も違うのでしょう。考えてみれば、ゴルフだってテニスだって、最初からそれほど面白いと思えたわけではなかったですから、何事もそこそこやってみて面白さが分かってくるのでありましょう。

 

 

 

クリケット体験 その1

インドで最も人気があるスポーツといえばクリケットです。日本ではまったく人気がありませんが、一説には世界で最も競技人口が多いのはクリケットだとか。 インドとパキスタン、バングラデッシュがあるからです。バングラデッシュも人口1億を超え、その3国合計すると16億人近くにもなります。                                          私もこれまでの赴任地(オーストラリア、シンガポール、インド)はすべて英国連邦。よってどこもクリケットは1-2を争う人気スポーツで身近だったのですが、ルールもわからず、口で教えてもらっても理解できずで、ほとんど関心を払ってきませんでした。多くの日本人はそんなもんだと思います。

およそ20年ほど前、仕事でバングラデッシュに出張した際、まず現地代理店を訪れたのですが、その日はクリケットの試合の日だったようで、代理店の社長は、                            ”仕事なんかしている場合じゃないよ、XXさん。一緒にクリケットを応援しようぜ” と言ってTVの前から動こうとしません。                                         おいおい、わざわざ東京から来たんだぜ。それは無いだろう!                                                 ”こんな面白いものないよ。仕事はあとあと” 。バングラデッシュの相手はどこだったか覚えていませんが、とても大事な試合だったのでしょう。郷に入ったら郷に従え、とも言うしクリケットに関心はないけど、のんびり行くか・・・そのころはWiFiなどという便利なものは無く、ダイアルアップと言って、”ピコ、ピコ、ピコ、ジージージー、ピーー”とか鳴って、やっとEmailに繋がるような環境でしたが、それなりに仕事も出来たのでまあいいですが、クリケットは彼らにとってそれほど熱狂させるものなのです。

インドに赴任して4年が過ぎようとしていますが、クリケットの話題になることも多いものの、私はまったくついていけません。                                      ”野球に似ているように見えるけど、点数の見方もルールが分からないし。昔オーストラリアにいるときも、教えてもらったけど、聞いてもよくわかんなかったよ” なんて言っていると、                ”じゃ、一度実際にプレーしてみるのが一番ですよ。今度計画しましょう”  そんな話になったのは1年も前ですが、なかなか実現する機会がなく、ほとんど忘れかけていたところ、       ”来週クリケットグラウンドを予約しましたから、やりましょう。一人1,200ルピーです。道具は用意しますので、運動できる服装で来てください”                         ”ほー、そうですか。それはありがと。じゃ、事前に勉強しておかないとね”              今はGoogle先生がなんでも教えてくれますし、実際自分でプレーするとなると読み方がまったく違ってきます。確かに野球にはちょっと似ているけど、だいぶ違うことが分かってきました。だけどそれほど難しいものでもなさそうです。デリー事務所のスタッフと運転手のGovindなどを入れて総勢20人を2組に分けてのクリケットマッチです。(正式には1組11人なのですが、バリエーションで何人でも楽しめるらしいです)・・・ 続く。

オクラのぬか漬け

ぬか漬けは、最初の作品こそイマイチでしたが、その後2-3週間もすると発酵が進み、ぬか漬けらしい、期待した味わいになってきています。大根、ニンジン、ナス、キュウリなどほとんど毎日のように楽しんでいるのですが、漬物の定番ともいえるナス、キュウリは、素材そのものが日本のものと違うせいか、残念ながら同じような味わいにはなりません。でもインドですから、多少の違いは許容範囲としましょう。                                                      そんなこの頃、ぬかずけのきっかけを作ってくれた”師匠”に再会する機会があったのですが、彼の言うには” オクラをぬか漬けしたらいけますよ” との情報。             オクラはインドではとてもポピュラーな野菜で、会社の従業員もしょっちゅう”オクラのカレー炒め” みないなものをお弁当に持って来ています。私はインドの野菜は農薬が怖いので、なるべく皮を剥いて食べるようにしているので、オクラはピーマンなんかと同様、皮を剥くわけにもいかず、これまで買ったことはありませんでした。                     ”でもぬか漬けに良いなら、この際試してみようか?きっとよく洗えば大丈夫。すくなくとも漬ける前と後で2回は洗うのだし”

味は、なんとなく想像した通りでした。日本では刻んで、しょうゆと鰹節などとまぶし、納豆のように食べたりしましたが、そのしょうゆ味を”ぬか漬けの味” にして、生臭さを少なくしたもの、という感じです。12時間ほど漬けたオクラよりも24時間ほど漬けた方が、生臭さがほぼ取れて、私にとっては好みでありました。

*オクラとにんじんのぬか漬け。にんじんはずいぶんと赤く見えるかと思いますが、ぬか漬けしたためにこうなったのではなくて、もともとの種類が違います。インドには2種類のにんじんがあって、日本風の黄色のものとこの赤みがかったものです。どちらも間違いなくにんじんなのですが、インドではこの赤い方が一般的で ”キャロットケーキ”などお菓子に使うことも多いようです。

前回”ぬか漬けに挑戦” をアップしたところ、同じ会社のブラジル駐在員から ”私もぬか漬け作ってますよ。ぬか床はもう4年物です” というメッセージをいただきました。その彼も単身赴任のおやじですが、思いがけずぬか漬けの大先輩だったとは!さらに思いがけない材料や楽しみ方があるのかも知れません。2週間後に会うことになっていますので、ぬか漬け談義が楽しみです。