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スリランカへの旅-1

今回のお客さんの一人であるおじさんは(Mr. OOとしておきましょう)、すき焼lきパーティーの翌日からアグラ(タージマハール)からジャイプールを一人旅して、水曜日に私とIGI(デリー)空港で待ち合わせて、一緒にスリランカに行く計画です。私は3年半もインドにいますが、いまだスリランカに行ったことがありません。噂によると、インドより街はずっときれいだし、人も信用できる人が多いとか。しかし、それもインドと比べてのことでしょうから、推して知るべし。

*めずらしくショートヘアーのインド女性!と思いきや、ここはすでにスリランカ(エアーの機内)でした。ふくよかさは似たようなものですが。

初日はコロンボの近くのネゴンボという町のホテルで一泊。翌朝、手配してもらったタクシーのJagathさんという人のお迎えで、内陸のダンブーラとシギリア方面に出発。車から見える街並みは、ごみはほとんどなく、たしかにインドよりはずっときれいでした。

*途中道端で果物を売っている露店と、その脇のゆでとうもろこし。インドではみな焼きとうもろこしですが、こちらではみなゆでたとうもろこしを塩水に浸して売ってました。”スイートコーンか?” と聞くと ”そうだ” というので試してみましたが、スイートコーンのような、そうではないような。日本のが甘すぎるのか?岩塩を浅い鍋に撒いて、そこに水を入れて塩水を作っていたので、”その水はきれいな水か?” と遠慮なく聞くと、奥にある大きな飲用水タンクを見せてくれました。運転手によるとスリランカでは水道の水も飲めるとか。

およそ4時間ほどのドライブでダンブーラ到着。その日のホテルはCinnamon Hotelといって超豪華。というか離れの一軒家のようになったビラ形式のホテルで、周りの環境も抜群です。

*Cinnamon Hotel. この一階と二階が我々の部屋です。

ところがMr. OOさん、”どうも本調子では無い” としきりに訴えます。日本を出る前から少々風邪気味だったようですが、インドで3日間一人旅して疲れたのか。それほど暑くはないと思うのですが、本人は、熱中症かな、などと言っています。 というわけで、夕食まで休んで様子を見ることに。                                            そろそろ夕食の時間と思われる7時ごろに電話してみると、”ちょっとダメですね。38.5度もあります” ”じゃ、医者に見てもらうか?”  ”そうですね” と素直に応ずるところを見ると相当悪そう。ホテルのフロントで事情を話すと、”では、この近くの病院に行けますか?車で10分ぐらいです。10,000ルピー(7,000円ほど)ぐらいかかるとおもいますよ” ”わかりました。とにかくすぐに行くようにします”。 するとホテルのなかからなぜかコックが出てきて、”私が一緒にお供します、念のためですけど”  ”はあ・・・、よろしくお願いします” ホテルは車も用意してくれました。                                                5分も経たないうちに病院に到着。インドでも行ったことが無い病院ですが、スリランカで初体験することに。そこは公立病院をいうことでしたが、病院をいうより、”村の診察室” という感じで、一目で看護婦さんと分かる女性以外は、患者とも使用人とも見分けがつかない男たちが5-6人たむろしています。”このなかの誰かが医師なのだろうか?” 外で5分ほど待っていると、Tシャツにビーサン履いた真っ黒な小さな男が出て来て椅子に座りました。そこは診察室ではなくて外なのですが、どうも彼が医師のようです。 Mr. OOを前に座らせ  ” どうしました?” 状況を話すと、胃腸の辺りを押してみたり、喉を見たりして、一応診察らしきことはしてくれました。                                         ” 心配いらないと思うけど、これを飲んでください” と紙切れに薬の名前らしき文字を書いてくれました。 診察時間、およそ5分。付き添いのコックは了解したようで、そのメモを持って車に乗り込みます。すぐ近くの薬局に連れて行ってくれたのですが、メモに書いてある薬は無かったのか、だれでも買えるパナドール(解熱剤)を出してくれました。                                                 不思議なのは、医院でも薬局でもお金を払ったようでもなく、請求書をもらった様子がないことです。明日チェックアウトのときにホテルから請求されるのだろうか?でもホテル内の診療所でも無いしなー・・・

千客万来

千客万来、と言ってはちょっと大袈裟ですが、同時に3人ものお客さん、それも別のグループ(2人と1人)が一緒になるとはとても珍しいことです。さらに2人のグループは若い女性2人組と、自分の年を考えるとまずあり得ない賓客。重なった場合は断ってもよかったのですが、一緒になるのは一泊だけだし、お互いそれなりに繋がりがある関係でもありましたので双方了解の元、3人で泊まっていただくことになりました。                     JAL便は到着予定は午後5時ごろの予定だったのですが、台風の影響で?出発は2時間も遅延。強烈な台風とはいえ、台風22号はまだフィリピンの辺りだし、飛行機は台風のはるか上空を飛ぶはずだから関係ないと思うけど、と楽しみにしていたすき焼きが遅れることにいささか不機嫌な私。                                            それでもJALもがんばったらしく、1.5時間遅れほどでIGI空港に無事到着。”初めまして” ”この人がXXさんのお嬢さん。こちらのお嬢さんはそのお友達” ”こちらがお父さん(XXさん)の先輩でOOさん” てな感じで紹介を済まし、一同車で我がアパートへ。

その日もいつものように日本から牛肉を買ってきてもらって”すき焼きパーティー”。     ワンパターンですが、すぐに出来るし、ビールのつまみにぴったりだし、4人ぐらいで鍋を囲むってのは、和やかな雰囲気を醸し出すしで、なかなか優れものです。そもそも牛肉をインドで食べるってことそのものがまずないことですので、あたかもマツタケなんかをいただくような希少価値感と、(基本的に食べることは禁止されていますので)少々の緊張感さえあります。

*たまたますき焼き用タレもあって、製作はとてもすばやくできました。

*最後は定番”すきうどん”で〆。

翌日若い2人のお嬢様方は、朝4時半にラダック(Lehの近くの4,000m級の高原)へ向かい、残されたおじさん2人は、(若い女性2人が居なくなって)火が消えたようなアパートで、ふたたびベッドに戻り8時すぎまで2度寝したのでした。おじさんたちは水曜日からスリランカ旅行を予定しています。

以下の写真はお嬢様方から送ってもらったラダックの写真です。

*ラダックにある有名な湖とヒマラヤにつながる山々です。とてもインドとは思えません。

*背後に見える白い稜線はきっとヒマラヤの一部と思います。

 

 

新聞記事より

このところ”新聞記事より” が頻繁な感がありますが、今日も3つお届けします。

1.英国の大学に入学する娘のために12人の召使いを募集。

*インドの金持ちは”半端ない” ということを聞いたことがあると思いますが、あるインドの大金持ちが、娘を英国の大学に入学させるに当たって、12人の召使いを募集中とのことです。執事、3人のハウスキーパー、庭師、料理人、運転手、外出時の付添い人等々。日本人には考えられないことですね。仮に皇太子が留学するとしてもそこまではしないでしょう。大学側は個人的なことなので関知せずとのこと。ちなみにこの大学は、St. Andrews UniversityでPrince WilliamsがKate夫人と出会った大学だそうです。

2.政府の金銭的支援がなかったので、銅メダルしか取れなかった!

*やや古い記事ですみませんが、ジャカルタで行われたアジア競技大会関連の記事です。Devya Kakranという女子レスリング選手が銅メダルを取ったのですが、”デリー政府が十分な金銭的支援をしてくれたいたら金メダルを取れたのに” というコメントを載せたものです。これも日本人にとっては、少々違和感を覚えるコメントだと思います。           日本人なら、結果を人のせいにするのは見苦しいと考えますが、インドではそうでもないかも。ひょっとしたらDevyaさんの主張はあるいは正しいのかも知れませんが、でもやはり、それを言っちゃーなー・・・

3.デリーにある技術系大学の25%は認可されていない!

*これはデリーだけのことではなくインド全国での問題です。全体で277大学が無認可で、デリーでは66大学が無認可。日本の文部省に当たる機関では、”これらの学校で学位などを取得してもなんの価値もないので、気をつけるように” などと呼びかけているようですが、にわかには信じがたいような数字です。なにせインドだから、そんな事もあるかも・・・  でもお上は”気をつけるように” とい言うだけなんだろうか。

 

 

ナンとロティーとご飯

仕事を終え、事務所を出ると近くに住む女性社員と一緒になりました。事務所は日本でいう4階ですので、朝はエレベーターを使いますが、帰り(下り)は階段を使うようにしています。その女性も、”私もいつも階段を使うようにしているんですよ。多少運動になりますので”  その女性は確かにインド人にしてはスリムなので、”日常何かエクササイズでもやっているですか?それともダイエットに気をつけている?” とセクハラにもなりかねない質問をすると、”特にエクササイズはやっていないけど、食べるものは気をつけてます。たとえば夜はご飯やナンは食べないで、ロティーを食べることにしてます” ”ナンとロティーってカロリーに違いがありますかね?”  ”もちろんあります。しかもロティーは栄養バランスがいいですから”                                                      ロティーは全粒粉を使っており、精製した小麦粉から作るナンよりは栄養バランスが良いということは聞いていますが、カロリーに大きな違いがあるのだろうか? 帰りの車の中で彼女はGoogleを検索して、どこかのサイトから ”ナンは500Kcalに対し、ロティーは120Kcalほどです” と4倍以上の違いがあると言います。エー!どちらも元は小麦から作るんだから、カロリーにそんな違いがあるはずないと思いましたが、その辺を深く追求してもお互い特に得るものはなく、というかその辺を英語で深入りするのが面倒になったので、”じゃ、ご飯も高カロリーなんですかね?消化は水分の多いご飯の方がよさそうに思うけど” ”はい、ご飯はすごくカロリーが高いと思います。” 消化の良し悪しについては自信がなかったようで、運転手のGovindにヒンデー語で聞いてみると、Govindはご飯の方が良いと思う、と答えたようです(という風に感じました)。ま、大差はないでしょう。

*左がナン、右がロティー。チャパティーというものありますが、ロティーと大きな違いはない、といわれています。私は発酵食品大好きですから、普通ナンを選びます。

いまや実に便利なGoogle先生。せっかくの機会だから翌日これらの違いについて調べてみました。いずれも100g中のカロリーです。                                     ロティー: 275Kcal  ナン:262Kcal  ご飯168Kcal                           ということでしたが、ご飯は水分が多いため(重いので)、単純な比較はできないと思います。ロティーやナンの一食分とは70gほどだそうですので、一食分約190Kcalほど。     一方、100gのご飯というと子供用のお茶碗一杯ぐらいの量とのことで、大人は仮に1.5倍食べるとすると252Kcal。この食べる量の仮定が正しいとすると、ご飯の方がやや高カロリーとなりますが、いまやご飯そのものは子供のお茶碗分ぐらいしか食べない大人も多いでしょうから、結局大差なし、ということになります。一緒に食べるおかずやおつまみ、お酒の方がずっとカロリーが高いに違いありません。

 

初めて歯医者に行く

一般的にインド人は不器用ですし(少なくとも私にはそう見える)、いい加減な処置で良しとする傾向があります。それをインド人は”ジュガード” (意味は一時的な対応とか工夫) などと言ってインド文化のひとつのように考えているようですが、日本人からしたらそれは単なる ”その場凌ぎ” 以外なにものでもなく、全く評価に値しないと思えます。

そんなインド人の特性と”文化”を知っている私としては、歯医者にだけは行きたくないと考えていたものの、2日ほど前に奥歯のクラウンが外れてしまいました。10月には日本に一時帰国する予定があるものの、まだちょっと時間があるし、”うーーん、これはどうしたものか?”

*外れたクラウン(金属)。背景はティッシュです。                                                       ちょうど日本からお客さんが来ていたので、そんな話題を持ち出したところ、”私はアロンアルファーでくっつけて、いまだに問題ないですよ” などと意外な情報。 でも、いくらなんでも自分で接着剤で付けるよりも、インドとはいえ、歯医者にくっつけてもらう方がまだマシであろう。あの、音を聞いただけで鳥肌が立つようなドリルを使って治療するわけでもないし、ただ外れたものを装着するだけ。そう考えた私は翌週月曜日、会社のスタッフに事情を話して適当な歯医者を紹介してもらうことにしました。そこはあるスタッフの奥さんがかかりつけの歯医者でした。

*歯医者の入り口。2人の男性は一緒に待っていた患者ですが、何を思ったか写してくださいとばかりに笑顔で入り口に立ってくれました。

*待合室の中。例によってヒンズー教の神様が飾ってあります。ちょっと不気味。

先生の名は、Dr. Pankajさんという、歳のころ40歳くらいの男性。歯科技術は日進月歩なので、歯医者は若い方が良い、などと日本では言われていましたが、インドではいかに。 3人ほどの”歯科衛生士” らしき女性と受付と会計の担当の女性らですべてです。日本の歯科医院もそんな感じでしょう。しばらく待ったのち、例の、歯科ではおなじみの椅子に案内され、そのまま座ろうとしたら、”靴を抜いでください”。日本だったら、中に入った時すでにスリッパになっていますので、そんなこと言われたこともなく、インドの歯医者に来たことをやや実感。                                                     外れたクラウンを見せて、”左の奥歯にはめてください” と説明しました。          ”何時外れましたか?” ”2日ほど前ですけど” ”うーん、いやもっと前でしょう” ”いや、ちょうど2日前ですけど。。。”                                         なぜそんな事を言うのだろう。インドの歯科医は”強欲” と聞いていたので、外れてから時間がたっているので新しく作り変えさせよう、という魂胆か?                  ”このクラウンは相当前に作りましたね?10年以上?” ”覚えていないけど、たぶん”      この質問も同じ意図か? ところが一度試しに嵌めてみると、見事にぴったりはまり、取れなくなってしまいました。”さすがは日本製。よくできているだろう。新しく作る必要などないのさ” と心のなかでつぶやいたのでした。                               それが通じたかどうか。 なんとか再度はがして、日本と同じようなプロセスで接着に取り掛かりました。でも、バキュームというのでしょうか、細いパイプを口の中に入れ、水などを吸引するのも同じなのですが、口に入る部分は換えていそうもありません。消毒もしているのかどうか??チッシュで拭くぐらいのことはしてるかも。日本は確認したことないですが、聞くまでもなく患者毎に換えているでしょうね。                                     かかった時間はおよそ15分。費用は1,000ルピー(約1,650円)でした。ま、日本よりは安いでしょう。”食事は一時間以降で、24時間は反対側の歯で噛んでください”   このあたりもほぼ同様のアドバイスです。                                        というわけで、歯医者にかかったというほどではないですが、初めてのインド歯医者は無事終了。いまのところ問題なく快適です。