月別アーカイブ: 2017年3月

信号無視で捕まる

郷に入れば郷に従え、などと言っていたら早くも信号無視で捕まってしまいました。     もちろん信号無視など積極的にやる意思など毛頭なく、その日も赤信号が見えたのですが、横断歩道も停止線もないため何処で止まってよいのかわからず、ほんの一瞬戸惑っている間に、赤信号を無視して行く前の車につい釣られてずるずると前進してしまいました。ややカーブになった信号の先には、それまで見えなかった警官が手招きしています。日本のように、道路の端に止まらせられ、”免許書を見せて” と定番のパターン。                             更新してから初めての免許書、自分でもよく見たことなかったですが、免許書についてはなにも言われなかったので問題ないのでしょう。                           ”信号無視で罰金と免停3ヶ月” と言われ、”罰金はしょうがないけど、免停は困るんですけど。罰金もしくは免停ってこと?” と確認すると、”両方だ” と言います。その警官は私の免許書を見ながらクレジットカードリーダーのようなものを細いペンでなにやら打ち込んでいるように見えました。でも格好だけのようにも見えます。本来はそこから領収書が出てくるのでしょう。                                                   ”罰金はいくら?” と聞くと ”1,100ルピー”(約1,700円) ”今払うですか?” ”Yes”。     素直に1,100ルピーを差し出すと、即自分のポケットに押し込みました。内心、これはきっと自分でねこばばするに違いないと推測し、カードリーダーのようなものから領収書も出てこないので、”じゃ、行っていい?” と聞くと” OK” と一言。                   1,100ルピーは取られましたが、ラッキーなことに免停無しで済んだようです。

その日はよく見ると警官があちこちに立っていました。実はデリーと隣接するハリヤナ州のJatsというコミュニティー(カースト)の大規模な抗議デモが計画されており、デリー市内はそのためにいたるところで警備していたのです。ただ立っていても暇なので、ついでに交通違反を捕まえていた、といったところです。                               ちなみにJatsというカーストは土地持ち農民で、インドでは比較的恵まれているコミュニティーなのですが、Dalitなどの下層カーストに認められている学校や国の機関への優先枠を自分たちにも認めろ、という要求をし続けています。現政権は断固認めない方針のようですが、そもそもそのような”優先枠” を設定したこと自体が間違いの元だったと思われます。表向きは”インドにカーストは存在しない” といいながら、下層カーストに対しはそんな優遇策というか逆差別ともいえる制度を作って、国自らカーストの存在を認めているのですから。                                                      とにかく、普段ちゃんと信号を守っている善良な運転手にとっては誠に不運な日でありました。日本では25年以上も無事故・無違反だったというのに。

後日この話を会社でしたところ、”信号無視など罰金は100ルピーですよ。1,100ルピーは飲酒運転の罰金です。だまされましたね!”。なんと信号無視の罰金は100ルピー(約160円)で済んでしまうそうです。やはりインドでは信号は参考程度になるわけです。

電気も水もなし

デリーのアパートに引越してほぼ1年が経ちます。一年前の入居時、水道の水が硫黄くさい感じがしたので、屋上にある水タンクを洗ってもらいましたが、一年に一回ぐらいは洗ったほうが良い、と会社のスタッフからもアドバイスされたので、運転手のGovindちゃん経由で”掃除業者”に頼むことにしました。当日はGovindちゃんが立会ってくれてお任せです。                                                     夜家に帰って、フィルター付の蛇口をひねってみるといつものように水が出ましたので、一安心。でも冷蔵庫と電子レンジの電気が消えています。電気もTVも空気清浄機も問題ないのに、冷蔵庫のあたりだけが停電となっているようです。部分停電などということもあるのだろうか?でも他の階でも同じだろうから、まもなく復旧するであろうとさして心配もせずビールを飲んで寝てしまいました。                                        年をとると夜中にトイレに起きることが多くなります。4時ごろだったでしょうか、小用を済ませて水を流そうとパネルを押しても、蓋が開くような音がするだけで水が流れてきません。あわてて脇にある洗面所の蛇口をひねってみましたがやはり出ません。昨晩はフィルターの水は出たではないか。。。冷蔵庫も依然停電のままです。これはどうしたことか? 水道から水が出ないことと(部分)停電は関係ありそうにも思えましたが、よく分かりません。 Govindちゃんに聞いてみるにも夜中の4時では電話するのも憚られ、夜が明けるのを待つことにしました。                                                      6時過ぎにGovindとも連絡がとれ、彼の言うには”ハウスガードが分かっている” といいうので、言葉が通じないハウスガードにどのように説明しようか悩みながら、下に降りてみると、日本でいうブレーカーと思われる器具の前で、ハウスガードが見知らぬ人物となにやら話しています。彼はおそらく隣の家のガードでしょう。ハウスガードは、Govindから連絡をもらって、私の部屋の電気を復旧させようとしているようなのですが、何をしていいやら分からない様子。実は彼らは昼間のガードとは別人物で、水タンクの掃除をしたことを知ってはおらず、なにをすべきかの指示も受けていないのです。

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*奥の人物がアパートのハウスガード。左のボックスは各階のブレーカーなのですが、どうしらたらよいやら分からない様子です。                                                        私も今回の一件で学習したのですが、水タンクを掃除するには一旦メインの電源を切って、夜の8時と朝の8時に市から流される水道水をくみ上げるポンプを止めなければなりません。(デリーでは一日2回しか上水道が流されません。そのときにポンプで水をくみ上げてタンクに貯めておくのです)                                                   掃除の作業が終わったら、当然電源を元に戻しておくべきなのですが、昼間のハウスガードがそれを忘れて帰ってしまったらしいのです。夜のガードが2人で、Govindと電話で話しながらああでもない、こうでもないとやっているのですが、一向にラチがあきません。(彼らはもちろん英語も読めません)仕方なく20分ほど後Govindちゃん自らバイクで登場、メインの電源を繋げて、停電も水道も一気に解決。でも、冷蔵庫の冷凍してあるものなどかなり解けてしまったと思われます。またそのまままた冷凍になっていますが。                                                    頻繁にある停電対策のため、メインの電源が切れてしまっても、照明やTVはUPS(無停電電源装置)で供給され、水をくみ上げるポンプや冷蔵庫、エアコン、電子レンジなどはメインの電源を使っている、というわけです。                                      これで停電と水が出ないということは結びつきましたが、フィルター付の蛇口からは水が出たのはなぜ?たぶんフィルターの中に残っていたわずかな水が出ただけとおもわれます。      それにしても真夏でなくて良かったです。エアコンが使えない真夏など考えられません。もっとも一般のインド人はエアコンなど無しでじっと我慢しているわけですが。                                                頭にくるのは昼間のハウスガードの怠慢です。以前、勝手に車を運転してぶつけたガードが居て、即クビにしてもらいましたが、それほどのことでもないし。言葉が通じないのでは怒る気力も起こりません。これもGovindちゃんを通じて”叱る”というなんとも歯がゆい方法しかなさそうです。

新聞記事より

最近の新聞記事に、たまたま日本に関する記事が目に付きましたので、それらをまとめてお送りします。

1.東京は世界一正直者の都市?!

東京に限らないでしょうが、無くしたものがそのまま手付かずで持ち主に帰ってくるというのは日本では普通のことでも(最近はそうでもないか?)、海外からみたら”奇跡”です。    下の記事は、2016年に警視庁に約32億円の現金が落し物として届けられ、そのうち3/4が持ち主に無事返されたと書かれています。                             日本では喫茶店やレストランなどの”席取り”のためにしばしばスマホを置いて、カウンターなどに注文に行くのは普通のこと、とも紹介しています。確かに日本だったら誰も手をつけないでしょうね。これらは”相手(無くした人)の立場になって考えよう” という教育のお陰としていますが、人のものには手を付けない、という社会規範みたいなものが定着しています。世界で類をみない宝物と思います。

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2.日本は飛びぬけて安全な国

こちらは日本の事を書いた記事ではなくて、”リッチになると犯罪が減少する” という調査報告で、10万人に対し何件の殺人事件が発生しているかを1995年と2014年で比べています。ほとんどの国で減少傾向にあり、インドでは4.4人から3.2人に減少。飛びぬけて高い南アフリカでは64.9人から33人と大幅に減少しています。 日本は0.5人から0.3人と、2014年の時点では、安全な国というイメージが高いスイスの0.5人を大きく下回って最低数値です。そんな調査するまでもなく、豊かになれば犯罪が減る、なんて当たり前のことと思いますが、日本やUSAなど過去20年で少しは豊かになったのだろうか?

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3.アジアのなかではダントツに汚職の少ない国

アジアの中でのデータではありますが、日本のクリーンさもダントツです。日本は0.2%と2位の香港の2%の1/10です。 3位は韓国で3%。                                             インドは残念ながら汚職の高さでは堂々の1位で69%。ベトナム59%、タイの41%と続きます。なぜか中国が入っていないのですが、おそらくデータがないのでしょう。         どういう場合に”袖の下”が使われるのかというと、公立病院へのアクセスや、役所での手続き推進、あるいはおなじみの警察へ等。そういえば私自身もインドで運転免許を取得するときには手を染めてしまいました。お陰で特急で手続きしてもらえ、頼みもしないのに3年有効のものが発行されてきました。(普通は1年毎に更新)                        ちょっと前の話ですが、マレーシアの高速道路でスピード違反につかまり、50リンギット(約1,000円)を握らせて無罪放免してもらったこともあります。そのときは警官から”ありがとう” と日本語で言われびっくりするやらあきれるやらでありました。

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Holi休み

今日3月13日(月)はHoliといって春を祝う祭日。日本の春分の日のようなものですが、例年この頃はもう夏のような陽気で春の到来を祝うという感じではありません。2月下旬、日本から帰って来た時にはもう夏の陽気でしたが、数日まえから急に気温が下がり最低が10度を下回っています。もう着ることもないと思われた冬物、といってもちょっとした厚手の上着程度ですが、それが無しではいられないほどです。                                   家の外では、迷惑にもインド特有の音楽が大音響で流れ、人々は色のついた粉や水をかけ合っています。顔や髪の毛、着ているものまでもカラフルに染まり、お祭りの気分を醸し出しているのですが、私にとってみればそんなもの掛けられてはたまらないので、朝から家のなかでじっとしているのでした。この日は、インド人も同じ理由で家でじっとしている人もかなりいるようです。

そうはいっても、一日家のなかでじっとしているというのも耐え難いものです。例によって、運動と練習かねて一人ゴルフでもしようかと、かなり気温が上昇した午後になって出かけてみました。マイナーなゴルフ場は、予約など無しでもいつでもできます。                                幹線道路に出てみると、これまで見たこともないほど道路がガラガラです。   もともとそうなのですが、こんな日は信号などあって無きがごとくです。       郷に入れば郷に・・・とはいっても交通違反三大悪の一つを犯すのはけっこう抵抗がありましたが、仕方なく私も右に倣います。さもないと、下手に止まったりすると後ろから追突されかねません。そもそも多くの信号は壊れているし、こんな日はそれでもいいのでしょう。もっとも下の写真のように、信号の前に看板を掛けて信号が見えなくしてしまう、なんてことも珍しいことではなく、インドで交通信号とは参考程度なのです。

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*異常に空いている道路。やや右上に見える看板(選挙用?)の後ろに縦型の信号が隠れています。みんな迷いなく進むので、私も仕方なく倣いましたが、通り過ぎるときに看板の裏をちらっと見ると、誰に見られることもなくひっそりと赤く灯っておりました。

通常40分くらいかかるゴルフ場ですが、今日はなんと15分ほどで到着。しかし、牛さんたちが相当数侵入しており、牛たちにボールを当ててもまずいだろうし、キャディーが”穏便に” 追い払ってもらうまでプレイ中断したりと、一人ゴルフにもかかわらず結構待たされる羽目になった次第です。

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*丸く刈ってあるところが一つ先のティーグラウンド。このまま打って、ボールを牛にぶつけたら罰せられるのだろうか?

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*隣のホールではかなりの牛がコース上にたむろしています。

 

事務所の引越し

3月末で現在の事務所の契約が切れ、社員も結構な人数になり手狭になってきたこともあり、新しい事務所に引っ越すことにしました。同じビル内で、現在の2階から1階上がって3階になるだけです。もちろんこの引越しは急に決めたことではなくて、昨年末ごろから決まっていたことなのですが、契約には新しい事務所の改修工事と、机などの家具類の据付も含まれております。引渡しは3月1日、現在の事務所と新しい事務所が1ヵ月ダブり、その間に順次引越ししてしまおう、という段取りでした。                                     そうは言ってもインドのことですから、予定通り3月1日に引き渡されるなどは最初から期待してはいなかったものの、ここにきて(3月8日)期待以上の状況であることが判明しました。

改修工事は遅れつつも、昨日になってようやく家具類(机、椅子、パーティションなど)が運ばれてきました。しかし、それらがひと目でわかる中古品なのです。              下の写真で見てもわかりにくいとおもいますが、カレーが飛び散ったようなシミがあり、角が擦り切れているのです。机も埃だらけで、傷もあります。これで新品と言い張るつもりだったのだろうか?あきれて言葉を失います。”あり得ない” と吐き捨てる私に、会社のスタッフは”インドではあり得ないことではないです” などと解説してくれるのですが、要は事務所のオーナーと改修工事業者の打ち合わせ(契約)がはっきりしていなかったようなのです。契約は当然”新品の家具” としたはずで、明らかに中古とわかる家具を持って来る神経を疑います。さすがはインド。

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*パーティションのサンプル。写真ではわかりにくいですが、あちこちにシミがあります。角の部分も擦り切れています。

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*こちらは机の下にはいるキャビネット。この上に板を置いて机になるわけですが、すでに埃だらけで傷もあります。

会社としては即座に拒否、その日のうちにオーナーと改修工事業者との契約を破棄してもらい、新しい業者に入ってもらうことにしました。(この辺の早い決断と行動は、正直私も少々感心しました。会社はオーナーとのみ契約、オーナーは改修業者と契約ということです)                                                      この新しい業者は、同日の夕方には現場に来て、”3月18日までには完成させる” という話でしたが、それも怪しいものです。3月の最終週までに引越しできればメデタシメデタシというところでしょう。