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離婚はタブー

インドではまだまだ離婚はタブーです。日本ではタブーとまでは行かないまでも、欧米諸国ほどには”普通の事” にもなっていないといったところではないでしょうか。米国の離婚率は50%ぐらい、日本も30%ぐらい行っているかもしれませんが、インドではまだ2%以下ぐらいです。                              インドでは、仮にどちらかが離婚を申し立てても、頼みもしないのに裁判所が乗り出してきて、離婚を思いとどめるよう説得されるそうです。もちろんそれでもダメな場合は、離婚に至るわけですが、日本と同様離婚してしまうと、多くの場合女性はかなりの”弱者”    になりますので、相当な覚悟が要ります。自分自身だけだったら何とかなるでしょうが、子供がいたりしたら大変です。それでなくともインド社会では女性の地位は低いし、”タブー” ですので女性の側から離婚を申し入れるのはかなり稀なことと思います。

下の記事は”離婚訴訟  ” の一つですが、ある女性が10年間にわたり旦那以外の男と関係を持ち、その間に子供まで作ってしまい、女性の方から離婚の申し立てをしたものの、裁判所はその女性に50,000ルピーの罰金を科しただけで、離婚は認めななかったということです。恐らく夫の方がが離婚はしたくない、という事情があったのでしょうが、そのような状態にまでなって、離婚を回避しよううとする夫というか裁判所の判断には理解に苦しみます。

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紙のように軟いインドの缶ビール

インドのビールと言えばKingfisher。元は英国のブランドですので、品質も悪くないし、値段もお手ごろで、私は通常24本入りのボックスで購入しています。ボックスの材質は軟いダンボールで、そのせいか開け口には丈夫なビニールテープがぐるぐると巻きつけられており、簡単にはテープが剥がせません。そこで近くにあった包丁を使い、テープの部分に切り込みを入れて、開けようとしたのとたんに”シュー” という音が聞こえてきました。箱を開けて中を見ると、なんとビールが吹き出しているではないですか!?                 何が起こったのかしばらく理解できなかったのですが、どうもテープを切った包丁がビール缶まで切ってしまったようです。使った包丁というのはステンレス製で、研いだこともなく、ナスの皮を切るがやっとのような甚だしく切れない包丁です。それが缶に触ったぐらいで穴が開いてしまうものだろうか?                                        ビールが噴き出している、というかじわじわと吹きこぼれて入るといった状態の缶ビール2本を急いで取り出し、流しに”隔離” しました。その缶をよく見るとわずかに切れ込みが入っています。                                                            その切れた部分を手で押さえ、コップに移すと、残りのビールの量は切れた部分を下回ったので、実質的にたいした損害はなかったのですが、この缶の品質には疑問を抱かずにはいられません。

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以前から、缶ビールの底が膨らんでいて、ちゃんとテーブルに置けないというか、立たないものがいっぱいありました。インドの輸送状況をよく知っている私としては、”乱暴に扱うから仕方ないな” とあきらめていたのですが、これで原因がわかりました。缶の材質が余りに軟いため、底であっても簡単に膨らんでしまうのです。                                    これは一年半前に赴任した当初からですが、インドでは”改善する”文化が無い、といっていいくらい変化を好みませんので、一向に改善される気配がありません。 外見がどうあれ、中身が問題なければOK。日本人の細やかさなど到底理解されまないどころか、”そんなことまで気にするのはクレージーじゃないか?” と本気で言われそうです。

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*底が膨らんだ缶ビール。右側の写真の左は正常、右側が底が膨らんだもの。かろうじて立ってます。

新聞記事より

今日は久しぶりに新聞記事より2つ。

1.インド北部、デリーの南側に位置するMD(マディヤプラデッシュ)という州のKatniという地方では、なんと自宅にトイレがないとパスポートを取得できないという条例が発効されました。MD州ではトイレがない家は60%を超えます。しかし、パスポートを必要とする人はインドの中ではそれなりの人たちで、家にトイレがある残りの40%に含まれる人たちと思われ、トイレ普及のためにはそれほど役に立つとは思えません。それにしてもなぜトイレとパスポートが結びつくのか理解に苦しみます。トイレ普及が目的ならば、トイレの無い家には税金(罰金)を課すとか、ほかに方法がありそうなものですが。

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2.残念ながら新聞にレイプの記事が載らない日はない、と言っていいくらいです。毎日5-6分毎に発生しているとかで、米国の殺人事件のように、普通のレイプでは記事にはならず、レイプの末殺されたとか、幼児にたいするレイプなどやや特殊なものでなければ記事になりません。                                                下の記事ですが、一か月ほど前に集団レイプされた女性が裁判所に訴えたところ、3人の加害者側が”逆ギレ?” して被害者に発砲、3発の銃弾を受けてしまったそうです。太ももと腕、さらに頭の上部に被弾ということですが、幸い致命傷には至らず、何とか生きているそうです。被害者の女性は、裁判所に訴え出た後、身の危険を感じて警察に保護を訴え出たそうですが、何もしてくれずこんな結果となってしまいました。一方加害者たちはまだ逃走中とのことです。

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あきれた交通マナー

一年ほど前に”Organized Chaos” というタイトルでインドの交通事情について書いたことがあります。普段、車の運転はGovindちゃんに任せているので、インドでの車の運転マナーの悪さは知ってはいてもさほど気にならなかったですが、いざ自分で運転してみるとその”強烈さ”に改めてあきれ返ります。                                                   逆走はごく普通のことで、それに対して誰も注意せず、クラクションさえ鳴らしません。普段はのべつまくなしクラクションを鳴らしているくせに。(公共物である)道路なんだからどのように走ろうが勝手だろう、と言わんばかりです。                                10㎝でもわれ先に割り込もうとするのはインド人のメンタリティーでしょうか。生存競争が激しいので、一歩でも他人より先んずるのが習いとなっているのかも知れません。また、譲るという精神が希薄なため、信号の無い交差点などは車が”3すくみ”のようになって、にっちもさっちもいかなくなっている場合も良くあります。 それがために大渋滞を招いていたとしても、”一歩譲る” なんてことは思考回路には無いようで、平然とその場を動こうとしません。                                                     信じられないでしょうが、信号も守らない人がほとんどです。左右から車が来ていないとみれば、赤信号でも突っ込んでいきます。私などは信号無視などは3大悪の一つと刷り込まれていますので、素直に信号で止まっていると、”なんでバカ正直にとまってんだよ!” とばかりに後ろからクラクションを鳴らされることも良くあります。ですから信号は決して信用してはいけません。青信号なので、減速しないで通過しようとしたら、左右から車が入ってきてヒヤリとしたことも何度もあります。信号ではなく、ひたすら自分の目のみを信じて運転する以外にありません。もっとも信号の半分近くは壊れていますが。                             車から物を捨てるのもあたりまえ。タバコの吸殻なら良いとは言いませんが、まだかわいいほうです。先日などは前の車が、おしっこで黄色くたっぷり膨張した紙おむつを窓から捨てたのにはあきれました。”ぼたっ” と道路に落ちた時の音が忘れられません。後ろから追いかけて”いったい何考えてるんだー!!” と一括したいところですが、仮にそんなことしたところで、”何をそんなに怒る必要あるの?” ぐらいの反応しかしないでしょう。ま、逆切れされる可能性も高いので、見て見ぬふりが身のためです。                         とにかく一言で言って、無茶苦茶であります。

これらの現象をカメラで捉えてお見せしたいところですが、自分で運転しているのでそうもいかないのが残念です。インドも一年半もいると、良くも悪くも感動することも減ってきて、とかく悪いところが目につくようになってしまうのは、誰しも、あるいは他の国にいても同じでしょうか。