月別アーカイブ: 2016年9月

靴の修理屋

最近週末はゴルフをすることが多いのですが、直前になってゴルフシューズの底が剥がれかかっていることに気がつきました。もちろん靴などはゴルフ場で買えますので、問題はないのですが、左側の靴は問題ないし、右側も問題は底の部分だけですから、まだ捨てるにはもったいないかも、と考えていたところ、”そうだ、インドにはあらゆる修理屋がいるはず。この靴を修理してみる価値はあるかも” と日本では思いつかないような考えが浮かびました。なにせ、減ったタイヤにゴムの帯を貼り付け、また使うぐらいの人たちですから、靴の修理なんてお手のものに違いありません。

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*靴の先半分が、パクパクというほどでもなですが、剝がれかかっていました。

ダメもとで運転手のゴビンちゃんに”靴の修理屋って知ってる?” と聞くと、即 ”Yes、Sir”。 コンペ前日の金曜日でしたが、直ったら儲けもん、ぐらいな気持ちでゴビンちゃんに預けました。その日の夕方出来上がり、料金を聞くと、なんと30ルピー(50円ぐらい)。”えっ!300ルピーの間違いじゃないの?”         ”No no, Just 30 Rupee only”

さて、結果はいかに?これまで3度も使っていますが、まったく問題なし。30ルピーなら毎回支払ってもいいくらいです。その靴修理屋さんの言うには、”紐で周りを縫ったら完璧になるけど” とアドバイスしてきたそうです。たしかにそうだろうけど、既製品の靴にそんなことできるのだろうか?                                               いずれにしても、たった30ルピーで完璧に直してしまうインドの靴修理屋さんには敬意さえ覚えたしだいです。考えてみれば、これまで修理すればまだまだ使えるものを捨てて、資源とお金を無駄にしてきたのかも知れません。”もったいない精神” 忘るるべからず。

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*後日通りかかったので、この靴の修理屋さんの写真を撮らせてもらいました。店を構えているのかと思いきや、UMT(Under Mango Tree)の床屋さんのような、青空商店でした。

GOA(ゴア)

仕事でゴアに行ってきました。                                     ゴアはムンバイから400Kmほど南に下ったアラビア海に面する州で、ポルトガル人のバスコ・ダ・ガマがヨーロッパからインドへの航海したどり着いたところです。インド独立まではポルトガル領の植民地でした。州都はPanajiという街ですが、最大の街はバスコ・ダ・ガマ市となります。でも人口わずか10万人。ゴア州はインドの中でももっとも面積の小さい州で、日本の滋賀県よりやや小さいくらいです。  インドでは指折りの観光地で、酒税も特別安く、外国人も多いです。以下の写真はゴアの代表的な観光スポットですが、日本人にも有名なフランシスコザビエルのお墓が、ゴアにあったとは知りませんでした。(日帰り出張だったので、観光する時間もなくサイトから適当にコピーしたものです)

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*元ポルトガル領らしく、教会がいくつかあります。

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*やはりビーチが最大の観光地となっているようです。魚もよく釣れるとか。

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*フランシスコザビエルの墓。ミイラにして保存されているそうです。

お昼は久々に海老カレー。デリーでは魚を使った料理は特別なレストランに行かないとまずお目にかかれませんので、ゴアに行くと決まったときから、フィッシュカレーを食べることに決めていました。やはり魚のカレーにはナンやロティーといったパンよりご飯が合います。油っこさもほどほどで、珍しくカレー1ポット(標準)をほぼ全部食べてしまいました。

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*ランチの海老カレー。大変おいしゅうございました。

帰りは夜の10:30ゴア発の便しかありません。デリーへの到着は深夜1時で、タクシーで家にたどり着いたのが2時ごろ。ところが深夜のため、私のアパートがあるRブロックへの入り口の鉄柵が閉められていました。仕方なく200Mほど行ったところにある別の入り口に行ってみたのですが、ここも閉められており、南京錠が掛かっています。しばし考えましたが、家で寝るにはこの柵を乗り越える以外にないと判断、意を決してよじ登ることに決めました。幸い鉄柵の脇にコンクリートの塀が繋がっており、その周りに木もあったので、その木を使ってよじ登ることができました。でも、降りるのは簡単ではありません。なにせ、もう若くはないですから、まちがって打ち所が悪ければ簡単に骨折してしまいそうです。何とか無事に”柵の中”に入ると、近くで見ていたハウスガードが笑って、なにかを話かけて来ましたが、ヒンズー語なのでさっぱりわかりません。”乗り越え成功おめでとう” とでも言ってくれたのでしょうか。

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*午前2時、閉められたゲート。これは2つ目の入り口です。

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*直接鉄柵を乗り越えるのは難しそうだったので、脇に続く塀を木の枝につかまってよじ登りました。写真は鉄柵の内側から乗り越えた塀を撮ったものです。

翌日この顛末を会社で話すと、1ブロック内ででは必ず門番がいる入り口が一つあって、そこから入れる、とのことでした。”そんな風に柵を乗り越えて、住人に見つかったら警察に通報されますよ!” とすると、何かを話かけてきたあのハウスガードは私の顔を知っていたのでしょう。そういえば早朝の散歩時に見かけたことがあるような気もします。あるいは、役に立たない番犬のような、何にもしない怠慢なハウスガードだったのかもしれません。

 

 

 

医者と看護婦のストライキ

いまや日本ではストライキなんて死語になりつつ感もありますが、インドではまだまだ健在です。工場、国鉄、タクシーなどよくやりますし、銀行などにもあります。日本では考えられないですが、なんと医者や看護婦のストライキもあります。                                        先週は国立病院で働く看護婦のストライキが発生し、デング熱が蔓延しつつあるなか大変な混乱を引き起こしました。国立病院は私立と比べて圧倒的に料金が安いので、低所得者はみな国立病院に行くしかありません。しかし、仮に医師が勤務していたとしても、看護婦が働かないのでは、とても対応できません。彼女らの要求はとてもシンプルで、”もっと給与を上げろ!” というものですが、9月3日(土)の新聞を見ていたところ、あれー!?と思うような記事が載っていました。

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この記事によると、国立病院で働く看護婦の給与は、57,000ルピー(約10万円)~94,000ルピーで、私立の病院で働く看護婦の給与は5,000ルピー~20,000ルピーとのことです。国立病院で働く看護婦は民間に比べ5倍から10倍ももらっているのにストライキ??        そもそもこの格差はいったいなんなんだ!?同じ看護婦が5倍も10倍も給与が違うとは!        翌日このことを会社のスタッフに確認すると、”その記事は正しい” そうです。国立病院に職を得た看護婦はとてもラッキーで、給与はいいし、基本的にクビになることもなし。上の記事にあるように、”政府としてはストライキをこれ以上続けると解雇する” と脅したところ、ストライキは間もなく中止になりました。そんな良い条件のなかで働いているのだから、本音では看護婦たちもラッキーと思っているに違いありません。例によって、言うのは(要求するのは)タダとはいうものの、内心では自分たちは恵まれていると自覚しながら、苦しむ患者を無視してストライキを実行するとはいかがなものかと思います。

一方医師の方ですが、こちらは逆に国立病院と民間を比べると民間のほうが圧倒的に待遇は良いそうです。もちろん民間ですから、各病院の”儲け具合”によります。私立病院の場合、医師はサラリーマンのような単なる勤務医ではなくて、いわば株主の一人のような扱いで、病院がいっぱい儲かれば、その配当というか利益分配は大きくなる仕組みになっています。ですから一般的には私立病院で働くことを希望する医師が多いようですが、国立の場合は身分が安定していることと、将来国立病院の長などの道が開けている、などのメリットもあるため皆がみんな私立病院を希望するというわけでもないようです。        なお、患者側からみると、お金さえあれば私立病院に行くのが普通です。ラッキーなことに私はインドでまだ病院に行ったことはないですが、設備・対応・環境が全然違うそうです。

インドの3大フラストレーション

インドでの不満を言い出したら3つどころか300あげてもまだ足りないかも知れません。が、多くのことは日本と比べて”違う” ということで、我慢あるいは気の持ちようでなんとかしのげます。しかしそれも個人差が激しいでしょう。ある人にとっては何でもないことでも、ある人にとっては耐え難いことであったり。                                    私にとっては以下の3つがどうにも受け入れられません。                          1.車やオートバイのクラクション。                                            2.いたるところに放置されているゴミ。                                                          3.道路上に作られたバンプ。(スピードを出させないようにするための隆起物)

1.昔と比べれば、デリーではずいぶんと鳴らさなくなった感はありますが、それでも意味もなくピーピーと鳴らされるクラクションには、気にすれば気にするほど神経に障ります。危険でもないのに、あるいは渋滞でどうにもならないと分かっているのに、とにかく鳴らさないと気が済まないといった感じです。ほとんどの日本人はクラクションを近くで鳴らされると、ドキッとすると思います。よほど危険が近づいているに違いないと。でもインドでは危険でなくとも、前に人や車があるというだけで、鳴らすわけです。これはインド在住以上一年たった今でも慣れませんし、頭に来ることしきりです。

2.ゴミの問題は以前にも触れました。インドにおいては、公共の場所、すなわち自分の家の中以外はゴミ捨て場と考えているのではないかと言っても言いすぎではないと思います。車のなかからポイ。歩きながらポイ、と老若男女だれでもです。残念なことに、わが社の社員も、缶ビールの空き缶やペットボトルなどを平気で捨てるので、”ダメだよ、そんなところに捨てちゃ!” と言っても、”問題なーし!” と迫力十分に言われると、”郷に入っては郷に従えか・・・” と自分たちだけ気をつけてもどうにもなるものでもないしな、などといとも簡単に郷に従ってしまったのでした。教育!教育!                           こんなことを書いていたら、下の新聞記事を見つけました。有名なタージマハールに行ったことがある人はわかると思いますが、中に入る前に靴をカバーするためのカバーが支給されていました。ちょうと女性が使うシャワーカップのようなものです。出るときには外して、ごみ箱のようなBoxに回収するのですが、みんなそこに入れずに庭園など適当なところに捨てるものだから、支給が取りやめになってしまいました。今後は靴を脱いではだしで見学ということになっただけのことですが、たったこれだけのルールが守れないのです。

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3.バンプはシンガポールにもありますが、日本にはまずありません。人によっては、たかがそんなこと、と思われるかもしれませんが、私には非常にフラストレーションです。ガタン、ガタンと乗り越すには、速度を十分緩めて乗り越さないと、相当な衝撃が来ます。夜など気がつかず、減速しないで乗り上げたら、車が壊れるほど衝撃が来る、と言ってもいい過ぎではありません。                                              それもいたるところにあり、このためにインドの経済活動が制限されているのではなかろうか、と思うほどです。要はみんなが制限速度を守れば必要ないものなのですが、信号も守らないインドのドライバーが制限速度など守るわけないですね。

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*こんな明確なバンプだったらだれでも気が付きますが、道路の色と区別がなく、もっと”急峻”なものもあり、こんなものはかえって危険と思われます。