先日アパートの持ち主と契約が成立し、手付け金も払って完了と思いきやそうではなく、コート(裁判所)に行ってアテスト(公証)してもらう必要があるそうです。アパートに入居するのにコートに行く!?なんとも大げさな。でもこの場合のコートとは裁判所というよりも、そういった家の売買とか賃貸契約専用の”裁判所”みたいなところで、日本でいう簡易裁判所とか司法書士に近いところでしょうか。とにかく借りる側は本人と証人2人、貸す側もオーナーと証人2名と最低6人が参加する必要があるとのことです。やれやれ念の入ったことで。ちなみにサービスアパートの場合は、そのような手続きは必要ありません。ホテルに宿泊する感覚に近いでしょうか。
その”裁判所” は事務所から車で1時間もかかるところにあります。距離はたいしたことないのですが、なにせいつも混んでいますので。到着するとオーナー側がすでに必要書類を準備しつつありました。必要なものは写真2枚、パスポート、会社の雇用証明、社印などで、書類は30ページ以上にも及びます。すべてに双方サインをして、拇印(左手のすべての指)を押して、それでも準備が整っただけで、アテストはこれからとのこと。しかしそれらの準備も屋外でやらねばならず、机の一つも準備されていません。窓枠のスペースを使ったり、塀の上のわずかなスペースで小切手に書き込んだりと、サービスの悪さはさすがに”パブリックセクター” だけの事はあります。
*左の写真の左から2番目のおじいさんがオーナー。すなわち女流画家の旦那さん。76歳だそうです。ということは20歳以上歳が離れていることになるでしょう。
準備ができてから待たされること小1時間。部屋に通されて、書類をチェックして、公証人の前で双方サイン、拇印を押して完了、と思いきやさらに別の部屋に通されて、貸主(オーナー)とテナント(私)の写真を撮られました。誠に念の入ったことですが、インドは自由契約の国ではなかったのか?実はインド、昔社会主義化したことがありまして、そんな名残が残っているのかも知れませんが、とにかくわざと煩雑にするようにできているとしか思えません。
さて、書類の準備中から靴磨きのお兄さん(子供?)がしつこく付きまとって来たので、言葉は通じなかったですが、”この仕事が終わったらね” といったサインを送っていたところ、理解されたようで、手続きが終わって部屋を出てきたらすかさず近寄ってきました。最初50ルピーといわれていたので、50ルピーはらうつもりでいましたが、何時のまにか会社のスタッフが折衝してくれていて20ルピー(40円)でOKとのこと。外国人だったので50ルピーと言っただけで、普通は10ルピーほどだそうです。ブラシと靴墨だけを使った実に簡単な靴磨きでしたが、そこそこきれいにはなります。これは私にとって生まれて初めての人にやってもらう靴磨きでした。やはり楽ちんです。40円ぐらいでやってもらえるならまた利用しようかな。