月別アーカイブ: 2015年10月

最安の車Nanoのその後

インドのTata Motorsが5年ほど前に発売したNano. 値段が22万円ほどということで話題になりましたが、インドでもそれほど見かけません。

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Tataモータースの社長が、1家4人が1台のバイクで移動する日常風景を見て、”手ごろな値段で、雨の中でも安全な移動手段を提供したい”  の一言で開発が決まったと言われるNano。それまで国内のベストセラーで最安値のマルチスズキ(800cc。日本のスズキアルト。Nanoは670cc)が20万ルピーであったところを、10万ルピーで買える4人乗りの車Nanoですが、ビジネスとしては失敗だったようです。2012年がピークで75,000台ほど売れたのですが、今はその1/3以下に落ち込んでいます。なにせ安いだけでなく、性能、安全面もまったく基準に達しておらず、しかもRF(エンジンが後ろ、駆動輪が前輪)というわけの分からないコンセプトで、道路事情の悪いインドではエンジン部が直接路面と接触したり、シャフトがあるので重量が重くなりパワー不足だったり。ただ安いだけというのでは、さすがに価格にうるさいインド人でも買ってくれなかったようです。今年2世代目が発売になったのですが、各種安全装置などを充実させて約20万ルピー弱と、もはや世界最安値とはいえないものになってしまいました。

インドといえども10年前には考えられなかった車が今は普通に走っています。アウディ、BMW、ベンツ、レクサスなどなど。みなそれらはインド製ですが、たとえインド製であったとしても、スズキマルチやトヨタの大衆車にくらべらたそれなりの価格はしますので、金持ちは相当増えたに違いありません。  ところが、形は間違いなくアウディでありBMWなのですが、どこかツヤがなくて、本来のものとは違って見えます。そもそも泥とか砂で汚れているという事もありますが、原因は砂が混じったような汚い雑巾で、ボディーを拭いているせいだと思います。そういう車専門の掃除人夫がいたるところにいて、格安で毎朝”きれいに” してくれます。でも、見ているとほとんど水を使っていません。大げさに言えば、細かい紙やすりで拭いているようなものです。あれでは細かい傷だらけになるでしょう。私が使っている社有車も、月300ルピーほどで掃除をしてもらっているのですが、最近若干ツヤ消しのようになってきた感があります。

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*街で見かけたアウディとベンツですが、BMWやレクサスなど含めて、そんな高級車が並んで走っているのを見ることも珍しくありあません。

 

日本の秋

9月に5ヶ月ぶりに一時帰国できましたが、幸か不幸か今月も一時帰国のチャンスがありました。会議参加のためなのですが、直前までインドからは参加不要と考えていたところ、参加メンバーに入っているとの情報が入り、日本に帰るのはうれしいけれど、会議の準備したり参加するのはちょとめんどういな、と思いつつも、会社の指令であればいたし方なし。季節も良いし秋の日本を堪能してくるべく、10月17日から一週間の一時帰国と相成りました。

仕事のことはともかく、日本の秋はただただ気持ちがいいですね。おいしいものも山ほどあります。これまで会社の食堂のご飯をさして旨いとも思ったこともないですが、今回は感動さえしました。”新米です” とは書いてあるものの、まるでもち米が少し混じっているのでは?と思わせるほどふっくらモチモチで、普段は小盛りのご飯しか選ばないのですが、その日はなんとなく中盛りを選らんで完食。おかずは確かサバの竜田揚げがメインだったと思いますが、ご飯に塩を掛けただけでおいしく食べられるのではと思ったほどです。日本にいる間には、なし、りんご、柿、あるいは寿司、ラーメン、おでん、各種魚等どれもみんなおいしゅうございました。私はもうちょっと日本に居とうございましたが、そうもいかず25日の午後、いわゆる”サザエさんシンドローム”になりつつ一人成田空港に向かったのでした。

IMG_0397 *ある和食レストランにて。

ニューデリーの空港ビルを出ると、たった一週間の違いとはいえ、ずいぶん秋めいていました。夜の11時で摂氏26度ですが、乾燥していることもあって暑いとは感じません。しかし、デリー空港の喧騒、混乱には慣れているとは言え、長旅後の身にはややつらいものがあります。日本時間で言えば朝の3時ごろですから。30分も待って乗れたタクシーは、英語が分からないとはいえ家に着くまでは問題なかったのですが、メーター料金の830ルピーに対し、500ルピー札2枚で1,000ルピーを出すと、”お釣りが無い” とこのときはなぜか英語で主張。”バカ言うな。朝いちのタクシーでもあるまいに、この時間でお釣りがないとは言わせないぞ” というと、”俺の財布を見てくれ” と財布をさしだします。暗かったのでよく分からなかったですが、確かに無さそう。それでも” あんたはプロなんだから準備がないお前が悪い!お釣りが無いなら、500ルピーに負けろ” と疲れていることもありほとんど怒鳴りだすと、ダッシュボードあたりから80ルピーを見つけて来て、”これしか無い”と、あたかも準備していたのでは?と思わせる言い訳をしてきました。日本円にしてその差わずか200円ほどの違いとはいえ、まんまと運転手の術中にはまるのは甚だ面白くないのですが、私も早く寝たいし、そこで妥協することにしました。気持ちよくお釣りを用意していてくれれば、夜も遅いし逆にチップの100ルピー(200円)ぐらい上げたのに、とインド帰国早々いやな思い。でもその夜、久しぶりにエアコン無しで気持ちよく寝れました。そうは言ってもいまだTシャツとパンツ1枚でなにも掛けないでですが。

余談ですが、日本にいると良く歩いていいですね。例のiPhoneの万歩計によると、日本滞在中は毎日12,000歩~15,000歩が記録されました。こちらでは記録されない朝の散歩の歩数を加えても、およそその半分ほどにしかなりません。そのせいかこの朝涼しいこともあり、軽く走ってみると間違いなく下半身のしっかり感が感じられました。一週間せっせと歩いたお陰に違いありません。

 

インドの婚活サイト

インドでも婚活サイトがあります。インターネットでもありますが、今日はインドの主要紙の一つであるTimes of Indiaの毎日曜日に掲載されるMatrimonials(お嫁さん・お婿さん求む)を紹介しましょう。

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上は最初のページ全体で、下が”お嫁さん求む” の部分を拡大したものです。求める人をある基準で分けて募集されますが、まずカーストによる区分けが来ます(求める相手のカーストを指定)。カーストはABC順です。その他の区分けはCommunity、日本でいうと出身地に近いでしょうか、その後に職業、言語、宗教などが来ます。インド人の多くが英語は問題ないにしても、母語(タミル語とかベンガル語とか)が同じ方が良いに決まってますので、カーストとともに言語を基準にするといったところはインドらしいところです。 自己紹介の一例を見てみますと、”ハンサムBoy, 28歳、身長5フィート7インチ、MBA取得、年収100万ルピー、スリムな女性求む” 電話番号とメールアドレスが最後に来ます。自分でハンサムなどと臆面もなく書くあたりも自己主張が強いインドらしいところでしょう。どれもおおよそ似たような内容の”宣伝” が記載されていますが、”スリムな女性求む”とか”Good Looking Girl”などと要求もストレートです。

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下は逆にお婿さんを求む広告ですが、やはりまずカーストの希望から分類されます。自己紹介も”お嫁さん求む” に近いものがありますが、こちらも自分のことを”ビューティフル・スリムガール”などと書いています。お婿さん探しですので、相手の希望年収などはこちらもストレートです。

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この他には、カーストにはこだわらない”General” とか、”再婚” として募集しているひとも少なからずいます。お嫁さん求む、お婿さん求む、どちらも相当な人数(数百人)が載せられていますが、”お婿さん求む” の方が多いです。やはり女性は仕事をしていない人も結構居て、出会いのチャンスは少ないのかも知れません。

この記事の話題を会社のスタッフにしたところ、今はインターネットがみんな使えるので、インターネットの”婚活サイト”がより人気があるし、男女が出会う機会も多くなっているので、新聞も含めてこういったサイトを使う人たちは以前よりも減っているだろう、とのコメントでした。ところで、どんな方法にしろ出会って本人同士は良くても、親に反対されたらどうするですか?との質問には、”証人2人と裁判所に行けば婚姻は成立する” (この辺は日本では裁判所ではなく市役所でしょうが、似ていますね) ”しかし、カーストの違いが原因などの場合は、親が名誉殺人と称して、相手や相手の兄弟を殺す可能性も十分ある” とか。冗談ではなく本当の話のようです。

インド人の給料はどのくらい?

インドでは平均してもあまり意味がない、というようなことを以前書きました。あまりにも差があるためですが、そうはいっても大卒初任給とか運転手とかある程度基準というのはありますので、平均的インド人の給与水準というものを探ってみましょう。 下の新聞は、ある物に対して給与の何ヶ月分で買えるのかを、24年前の1991年と現在とで比較したものです。

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たとえばオートバイ。1991年には13,100ルピーで、2年1ヶ月と10日間分の給料が必要でしたが、今では価格は上がっているものの、給与も上がっているので5ヶ月と23日間分で買えるようになっています。TVですと1991年には2年と11日分だったのが、今は1ヶ月と22日間分で買えます。このデータから平均的給与が簡単に計算できます。およそ6,700ルピー/月(約13,000円)ほど。一般企業の大卒の初任給が25,000ルピーぐらいと言われていますので、平均値にしてしまうと、大卒初任給の1/4強ぐらいということになってしまいます。大卒の割合はわずか5.6%ほどですし、小学校もまともに行かない人も山ほど居て、学歴と給与はさほど関係ないのかもしれませんが、そんなものかも知れません。 社会の発展とともに購買力も上がっているのですが、家の値段(2ベッドルームアパート/デリー)だけは1991年と現在もほとんど変わらず、およそ153年分(月ではありません)と途方もない数字になっていまして、一般庶民は到底買えないということになります。下の写真のオートバイの右隣が家の値段を比較しています。コンマの位置がインド式で変ですが、13,000,000ルピーです。ではどうしているかというと大家族で住んだりして凌いでいるのですが、この話題は別の機会に。

一方、たまたま街で見かけたDomino Pizzaの従業員募集広告が下の写真ですが、12,200ルピー/月(24,400円)とあります。条件は18歳~25歳の男女。10年の教育を終えていること。日本で言うと高1終了以上です。上記の平均よりおよそ2倍の金額になります。また、写真では分かりにくいと思いますが、この広告の下半分には、2-7年の経験者をマネージャーとしても募集しています。21歳~27歳までで、給与は21,100ルピー。ほぼ大卒の初任給程です。

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もちろんこういった単純労働者ではなくて、サラリーマンであっても管理職などになると新入社員の10倍以上ももらったりする人も珍しくないですから、そうなると日本人ほぼ変わらなくなります。冒頭の平均値6,700ルピーが正しいとすると、27倍もの違いになって、インドの平均給与は?と言われるとなかなか難しい質問であることがわかっていただけると思います。世界一の金持ちが居たりして、上を見れば切りがないし、下をみても同様。 日本人の平均給与は、年収で400万円強ぐらいと言われていて、月にすると34万円ほどですが、”平均給与”というものに多くのひとがあまり違和感を持たないと思います。良い悪いは別にして、極端な差がないということと、年齢という明確な基準によって給与が決めらていることが理由でしょうか。インドの平均6,700ルピーと比べるとやはり26倍もの違いになってしまいますが、物価の実感から比較するとせいぜい5倍~10倍といったところです。額面のみとはいえインド人の26倍もの給与をもらうというのは、一地球人としてみると理不尽な感じもしなくもないですが、でも長い目でみるといずれはならされて、あまり変わらなくなってくるでしょう。

物乞い

残念ながらこの話題を語らずして、インドを語ることはできません。かなり減ったとはいえ、まだどこの街に行っても見かけます。しかし、私がインドに関わりはじめた15年ほど前の頃は物乞いだらけという感じで、強烈なインパクトがありました。最初にインドに足を踏み入れたのはChannai(昔のMadras)でしたが、今のようにりっぱな空港なんてなくて、せいぜい2階建てぐらいの粗末な建物があっただけです。電気掲示板なんてのもなくて、黒板にチョークで書くような状態でした。その”空港ビル”を出るやいなや、物乞いがわっと寄ってきて、いや物乞いと言ってしまうのは悪いかも知れませんが、頼みもしないのに荷物のカートを持たせてくれと寄ってきます。もちろん必要ないのですが、なかば奪われるようにカートを運ばれ10ルピーもあげたこともありました。その当時のレートで確か30円ぐらいだったと思います。すると近くから子供がまた寄って来て、お金を呉れとのしぐさをします。まあ、子供だからとちょっと情け心が出てなにがしかあげたのですが、ありがとうでもなく、奪うようにお金を取って行ったので、”もうやるものか” と思ったりしたものです。

今では空港自体は日本と遜色がないほど近代化され、空港をでても物乞いはまず寄ってきません。きっと政府というか当局が排除したのでしょう。しかし、車に乗って信号に止まったりすると時々寄ってきます。こちらはなにを手伝うというのではなく、純粋な”物乞い”です。地元の人からは、”物乞いにお金を上げるな” と”教育” されていますので、見て見ぬふりをするようにしています。聞く所によると、”物乞いのシンジケート”というのがあって、それを専門に”商売”しているのがたくさんあるそうです。多くの場合女性の物乞いは小さな子供を片手に抱っこして、もう一方の手で、食べ物をつかんで口に入れるしぐさをして、お金をくれとアピールします。たしかに小さなこどもが居た方が”哀れみ”を誘って商売がしやすいでしょう。時にはその子供の手や足が無かったりします。恐ろしいことに、シンジケートでは故意にそういう不具者を作って、”商売の道具” として提供しているとのことです。さらに驚いたことには、そんな小さな子供を静かにさせておくために、アヘンを飲ます、なんてこともしているそうですからもう言葉がありません。ちょっと昔の作品になりますが、”スラムドッグミリオネアー”という映画のなかで、子供が麻酔をかけられて目を焼かれるシーンがありました。目の見えない物乞いとしてシンジケートの一員として使われるためです。

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*信号で止まった車に寄ってきた少女と若めの女性の物乞い。

仮に一日100ルピー稼いでも、月に3,000ルピー(約6,000円)になりますから、多くの人が月1万円以下で生活していることを考えると、シンジケートのピンはねはあるにしても、なんとか食べてゆける収入ということになるでしょうか。冒頭にも書きましたが、以前と比べると別世界と言えるほど物乞いは減りました。しかし、多くの人がインドに来て最初にショックを受けるのは、やはりこの物乞いの存在であろうと思います。

ターバンとインド人

日本人にとってインド人といえばターバンを巻いている、と言うイメージがあるかと思います。昔S&B食品から出された”インド人もびっくり” というキャッチフレーズのカレーがあったのですが、そのコマーシャルに出ていたインド人がターバンを巻いていました。確か箱にもターバンを巻いたインド人がデザインされていたと思います。40年以上も前の話ですから知っている人はいまや少数派かも知れませんが、カレーはその頃から国民食と行ってもいいくらいになっていますのでそのせいでしょうか。実際にはインド以外でもターバンを巻く習慣のあるところは中東などでは結構ありますが、ターバンといえばインド人、インド人といえばターバンというイメージが定着しているように思えます。しかし知っている人も多いとおもいますが、このターバンを巻いた人々は全体の2%弱ほどしかいないシーク教徒のことです。(80%はヒンズー教徒)少数派ながらインドの前首相Manmohan Singh氏もターバンを巻いたシーク教徒でした。

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ではなぜ彼らはターバンを巻くのか?それはシーク教徒は髪やひげを切らない(剃らない)からです。神あるいは親からもらった髪やひげは自然のままにしなければならない、というわけで一生切らないということです。この辺はインド西側のイスラム教に近いところがあります。シーク教徒ももともとは西のイスラム圏から移動してきた人たちですから、無関係ではないでしょう。しかし、”本当に切らなかったら何メートルあるいは何十メートルにもなって、ターバンであってもまとめられなくなるだろう?” と疑問を呈すると、”髪の毛というのはある程度長くなったら、それ以上伸びないものなんです。だから仮に髪を解いて伸ばしてもせいぜい腰の下あたりまででしょう” との解説。本当だろうか?じゃ逆に頻繁に切ったり、剃ったりしたらどんどん伸びてくるということにもなるのか? どうも非科学的な感じがしますが、でもこの解説が正しいとすると、せいぜい1-2mで成長は止まるということです。上のSingh首相の写真をみると、髪の毛はわかりませんが、どう見てもひげは切ってますよね。手入れをしている、と言ったほうが正しいでしょうが。髪の毛もこっそり切っているに違いないと思われますが、今度シーク教徒と話す機会があったら聞いてみましょう。

インドでもオートバイに乗るときはヘルメットをかぶることが義務つけられています。ところがシーク教徒はそれを免除されています。たしかにターバンの上からかぶれるヘルメットはなないでしょうね。またシーク教徒はお守りに短刀を常に身に付けているそうです。10cm~20cmぐらいの短刀で、肌身にしっかり括りつけていて、空港の荷物チェックでもシーク教徒ならば認められるそうです。ただし国内便の話ですが、ということでしたが、これも本当だろうか?

シーク教徒などインドの少数派の宗教は、イスラム教14%、キリスト教2.3%、仏教0.8%、ジャイナ教0.4%、その他0.6%。仏教はインドが発祥にもかかわらず超少数派です。その他の中にはイラン発祥のパーシー教(ゾロアスター教=拝火教)といって、死んだら鳥に肉体を食べさせる、なんて奇妙なのもあります。パーシー教では驚いたことに、近親婚(兄弟、親子など)はもっとも善行とされています。タタ財閥創始者と現会長、あるいは指揮者で有名なズービン・メータ(Zubin Mehta)などはパーシー教徒です。

 

サービスアパートは便利ですが

サービスアパートメントは家具やTVあるいは食器などほぼすべてのものが備え付けられており、着替えさえ持っていけばすぐに生活がはじめられる、というのが売りです。しかも定期的に掃除などもしてくれて、いわば個人のアパートがホテルになったようなものです。特に掃除は家事のなかでももっとも嫌われる作業といわれており、私も良くその気持ちは分かりますので、掃除をしてくれるってのは実に有難いです。歳とともに体が硬くなってきて(もともと硬いのですが)、腰を曲げて掃除機を掛けたり、風呂場などを掃除するというのはとても億劫です。しかも今私が住んでいるサービスアパートは2ベッドの部屋で、この一帯の建物のなかでは一番小さいですが、それでも結構広くて、たとえ週に一回でも掃除するとなると、考えただけでもうんざりします。

このサービスアパートは毎日掃除をしてくれて、シーツを替えたり(毎日ではない)、食器洗いなどもしてくれます。しかしこう言ってはなんですが、食器を洗ってもらうのをインド人にやってもらうのは気が進みません。なにせレストランで、”お皿が汚れているじゃないか!” と注意すると、ウェイターが自分の手のひらでお皿を拭いて、”どうだ、これでいいだろう!?” と胸を張るような感覚の人たちですので、ちゃんと洗ってくれるとはとても思えません。単に水道水ではなくて、浄化した水で洗わなくては気持ち悪いだけでなく、安全上問題だし、雑巾も布きんも区別がないかも知れませんし(ちょっと言いすぎだったか)。よって、食器類は必ず自分で洗っております。私としては洗ったまま(乾燥中)でそこに置いておいてくれればそれでいいのですが、昼間仕事で家を空けている間、掃除人が頼みもしないのにその洗った食器を勝手に棚等にしまってしまいます。もちろん良かれと思ってやってくれているのでしょうが、後で”ありか”を探すのが大変です。しかも毎日同じ人ならまだしも、たまに違う人も来るようで、食器の仕舞い方、場所が変わってしまうと、これまた大変です。朝の忙しい時間に、食器を探すのに結構時間を取られたりして、”掃除人のやつ勝手なことしやがって!!”などとののしりの独り言も言いたくなります。土曜日の午後など掃除人と会うことがありますが、全く言葉が通じません。”食器をしまうな”といった単純なことでも、身振り手振りで説明して、やっとある程度理解してくれましたが、人が変わったら無駄な努力となってしまいます。

彼ら(女性もいるらしい)は、掃除にくるときに替えのタオルぐらいしか持ってきません。最初会ったときに ”掃除機もなしでどうやて掃除するんだよ!?” と聞きたくなりましたが、どうせ通じないし、どうするのかなー?とおもいつつ観察していると、ほうきとモップのみです。床はそれで十分ですが、カーペットの部分はどうするかというと、ブラシで表面を掃いて、中の埃等を外に掃き出して、床のほかのゴミとまとめて集める、というわけです。カーペットのなかにそんなにゴミが埋もれているわけもなく、私からみたらただ埃を空気中に拡散しているだけに見えます。それ以来私は掃除中は外にいることにしています。

なんだかんだと不満を述べてしまいましたが、実際風呂場の掃除をやってくれるだけでも大変ににありがたいことですよね。これを読んでくださっている人は、家で風呂場の掃除をする人でしょうか?その面倒からの開放感というのは、普段やっている人でないと分からないでしょうね。

九九は2020

題をみても何のことか分からないと思いますが、日本の九九はインドでは20x20までやるという意味です。以前、インドでは15X15まで覚える、という話は聞いてたことがありましたが、実際は20X20までだそうです。20X20 は九九しか知らない日本人でもすぐにできますが、”じゃ19X19は?” とインド人に聞くと即答します。(だだし少なくとも小学校に行った人は)  ”それって実際の生活に役立つの?” と聞くと、”もちろん役立つよ。買い物するときとか”。 九九だけでも買い物には困らないとおもうけど。。。

IT産業におけるインド人の活躍は有名ですが、これと上記の2020は関係あるのか?という質問に対しては、”それはなんとも言えないが、論理的考え方を好むインド人だから多くのプログラマーなどが活躍しているのであろう” とのご意見。論理的思考を好むですか、、、その割には”言うだけはタダ” とばかりに、むちゃくちゃなことを言ったり、やったりしていない?と突っ込みたくなりますが、ここぞというときに論理的に論破するとインド人は引き下がる、という感じはします。日本人のように、”まあまあそこは、、、” とか”そういうこともありましょうが、ここは中庸を取って・・・” みたいな解決法よりはきっちり理詰めの解決が好まれる傾向はありように思われます。

インドの教育システムは5-5-2年制で、大学までトータル12年というところは日本と一緒ですが、そのカリキュラムは大きく違うようです。たとえば”微積分て何年の時に習う?”と聞くと、”7年生” との回答。えっ!中一で微積分!?その場に居た60歳の年配のスタッフは 11年生のときに習ったそうですが、11年なら高校2年だから日本とほぼ同じです。が、中一で微積分は驚きです。”じゃ、その後は何を習うわけ?”と聞くと2次、3次と高次の微積分があるし、大学への受験準備も始まるし” との事でした。この辺はきっとかなりエリートというか恵まれた人たちの状況と考えられます。

インドでは義務教育は、一応8年生(中2)までとされているようですが、実際には機能していません。”義務教育(Compulsory Education)は何年まで?” と聞いてもポカンとしています。本人と家庭の事情により学校行ける人は行くし、行けない人は行かなくとも特に問題にされません。ちょうど極端な金持ちが居る一方で貧乏な人が何億人もいるように、一握りの高い学歴を持つ人たちと、一方では小学校にも行けない人たちが山ほどいるわけです。”NASAのスタッフの25%はインド人なんだよ” と自慢されましたが、人口の割合(インドの人口は世界の約20%)からするとどうってことなさそうですが、大学まで行く人がほんの一部であることからすると確かに理系に強いインド人というのは事実なんでしょう。理由はよく分かりませんが。

ところで九九は英語でなんと言うでしょうか?答えは”Table”です。正確にいうと”Maltiplication table”ということになりますが、単にTableで通じます。

世界一の金持ちはインド人だった

”インドの金持ちは日本とは違って極端に金持ちらしい・・・”。こんな噂は多くの人が聞いたことがあるのではないかと思います。”

先日の新聞で2014年度の高額所得者の発表がありました。インド最大のお金持ちはMukesh Ambaniさんという人で、Reliance社のオーナーです。まだ50歳で、父親も立派な実業家だったそうですが、親から譲り受けたものはあったものの、ほぼ一代で築き上げた資産家です。Reliance社は何をやっている会社かというと、石油、天然ガスなどを中心にスーパーマーケットなども多数経営し、Relianceグループ全体の従業員数は、なんと2,000万人を超えると言われています。Ambaniさんの個人資産は632億ドル(約7兆円)と、あのビルゲイツの623億ドルを超えて世界一のお金持ちというわけです。彼のことは当然のことながら現地でもとても有名で、特に彼の家については会社のスタッフもみんな良く知っていました。ムンバイにある27階建てのビル一棟で、もともとは60階建ての高さがあるが、各部屋の天井を高くして27階建てにした豪華なもの。召使いが100人以上、車の駐車場も100台以上。先日奥さんには60億円もする飛行機をプレゼントしたとか。あの小説Fifty Shades of Greyを地で行くような人です。インドといえばTaTa財閥が有名ですが、いまやこのRelianceグループの方が売り上げ規模では上回っています。

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上の写真は、その新聞記事の一部ですが、右側には以前紹介した”Ola”タクシーの創業者、Ankit BhatiさんとBhavish Aggarwalさんという若干28歳と29歳の2人が ”若手スーパーリッチ” の仲間入りしたことも伝えています。”Olaシステムは超優れもの”と書きましたが、早くも長者番付に登場です。資産はおよそ500億円で、ランク的には238位です(インド内で)。

その優れもののOlaですが、さらに新しい機能が盛り込まれました。銀行口座からある程度の金額をOlaに預けておくと、支払いの際現金を渡す必要がないのです。出来てしまえばどうって事ないように思えるかも知れませんが、カードもいらないし、現金を持っていなくてもいいし、おつりが無いなどという面倒から開放です。ほんと日本にも導入して欲しいとおもいます。

インドといえば”貧しい人々” というイメージがあり、事実国民の半分以上が月収1万円以下で暮らしているのですが、一方では世界一の金持ちもインドに居るわけです。インドの所得税は最高で30%。日本は40%。香港などは最高税率15%ほどで、金持ちはますます金持ちに、貧乏人はいつまでたっても、、、と言われていますが、インドはそういう状況でもなさそうです。なにせ13億人の巨大市場ですから、一旦ビジネスを成功させたら結果は莫大ということでしょうか。

デリーにも秋の気配が

今日10月2日(金)はインド独立の父、マハトマ・ガンジーの誕生日で休日です。5月から酷暑、そして7月ごろからのモンスーン(雨期)を経て、9月にはまた暑さがぶり返した感もあったデリーですが、さすがに秋の気配が漂い始めています。今朝の最低気温は21度。早朝にアパートの中庭の芝生の上を歩くと、わずかに降りた露を払い落として、やや濃い緑色の足跡が残ります。歩き続けると露が靴にわずかに浸み込んできますが、そんなことで涼しくなってきた事が実感できるだけでもうれしくなってしまいます。つい数日前まで最低でも25度から35度以上の”熱帯夜” が5ヶ月も続いていたのですから。ようやくエアコン無しでも寝れるか。

こんな気持ちの良い季節に合わせてか、インドではこれから祭日が目白押しです。10月は今日のマハトマガンジーの誕生日と22日ダシャハラー、11月11日~13日ディワリで土日を入れて5連休。インド最大の祝日で日本でいうゴールデンウィークです。祝日は基本的に”ドライデー” すなわちお酒の無い日で、前日の夕方5時から2日終日お酒の販売がストップされるので、私にとっては注意が必要です。

通勤は毎日車でドアーツードア。一歩も歩かないと言ってもいいくらいです。事務所に居るときもほとんど歩きませんので、毎朝40分ほど散歩をするようにしています。ふと毎日何歩くらい歩いているのか知りたくなって、今朝はiPhoneを持って出かけてみました。結果は4372歩。さてこれは信頼できる数値でしょうか?一分間にすると109歩。ちょっと多くないか?

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例によってGoogle先生に聞いてみると、やはり信頼できない、という意見あるいは経験を記している人は結構いましたね。そこで実際自分は一分間に何歩くらい歩くのか数えてみました。結果は一分間に118歩ほど。3分間歩いての1/3の数値です。よって109歩はほぼ正しい数値といえるでしょう。ちなみにiPhoneはズボンのポケットに入れました。胸ポケットに入れると誤差が出るという意見もGoogleではありました。まあ、こんなことしていると”暇人” と言われても仕方ないですが、iPhoneの万歩計というかHelth Checkシステム、よーく出来た仕組みになっているようです。