月別アーカイブ: 2015年8月

インドで初めてのゴルフ

モンスーンシーズンに入り気温もやや下がってきたので、またゴルフでも始めて見ようかと日本人会系同好会に2週間ほど前に申し込んでみました。開催日(8月30日)はきっと秋風が吹きはじめるのではと期待して。しかし、ほぼモンスーンシーズンが終わりつつあるこの時期、また気温が上昇している気配があります。モンスーンの時期、5月6月の酷暑期よりは気温が下がったといっても、日本の夏ぐらいの温度と湿度があるのですが、下がってくるはずの気温が、予定の日が近づくにつれ上がり始め、当日の最高気温予想は38度とのこと。これは早まった!シンガポールより暑いではないか。単なる我慢大会になるどころか、熱中症でダウンしかねない。歳も年だし、悪くすると死んじゃうかも。酷暑期には1,000人以上ものインド人が暑さのため死んでしまったのだから、この暑さになれていない日本人が、しかもそのなかでゴルフをしようというのは正気の沙汰とも思えない。でも、ドタキャンはペナルティーが科せられるというし、それより皆様に迷惑を掛けてしまいますので、後悔しつつも絶対無理しないことに決めて、重い足を引きずる思いで参加。

ゴルフ場の名前はゴールデングリーンズゴルフコースといって、自宅から車で30-40分ほどのところです。なるべく暑さを避けて早朝6時スタート。4時半起きでした。ま、朝の早いのはもはや気になりませんが。さすがに朝の6時前後は暑くはないですね。26-7度ぐらいでしょうか。ゴルフ場はクラブハウスも含めて他国のものとほとんど変わりません。ただ、キャディーは下の写真の如く男ばかりで、しかもほとんどがパタパタと草履っぱき。藪の中には行ってボールを捜したりするであろうに、彼らの足の皮は特別タフに出来ているのであろうか。多くはキャリアーもなくて、自力で肩に背負って運びます。電動カートもあるのですが、これは客が事前に予約しないと使えないため、予約した人に当たったキャディーさんはラッキーというわけです。

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ラフというか藪のなかに入ってしまったボールを見つけたときには、”あった!あった!”とここだけはインド人とは思えない正確な発音で日本語を連発。思わず笑ってしまいます。前半が終わったのが8時半ごろ。風も多少あって、まだ暑いというほどでもありません。これならさほどのことはなさそう。さすがに最終ホールを終わった11時ごろにはかなりの暑さではありましたが、その後すぐエアコンの効いた室内に逃げ込みましたので、”我慢大会”というほどのつらさを感じることなく無事終了。ちなみにグリーンフィーは3,300ルピー(約6,600円)。キャディーへのチップが、事前に示し合わせて200ルピー(400円)/人。渡したときちょっと不満そうでしたが、”みんな同じだから”と言ったらしぶしぶ納得。でも電動カートの人もいたのだから、それにくらべたら肩に担いで運んだ人はさぞ重労働だったでしょう。ちょっと運がわるかったね。ゴルフクラブのシャワーはきれいではない、というので、そのまま自宅に戻ってシャワーを浴びてほっと一息。

参加者は日本人ばかり40人ほどで、女性はたったの一人。その後14:00からの昼食会というか成績発表ではお酒が入っていたとはいえ、異常な盛り上がり。インドでは皆ストレスと不満がたまりまくっているのであろうか。日系ホテル(富士ホテルという小規模のもの)のレストランでしたが、従業員はもちろんインド人。日本人、酒が好きなのは良いとしても、さぞかし変な人たちと映ったことでありましょう。

 

 

 

ねずみの被害

インドに赴任してから早4ヶ月になろうとしていますが、印象的にはそこいらじゅうに居そうなねずみ、実際にはまだ見たことがありません。高層アパートの19階ですし、食べるものもあまりないですから、家でねずみを見ることはまずなさそうです。街中では、生ごみ含めてあちらこちらに捨ててありますので、ねずみなどいくらでも居そうですが、夜行性のせいか、あるいは街を歩く、ということ自体が少ないせいかほとんど見かけません。ま、結構なことです。

ところが実際にはねずみの被害は尋常ではありません。筆者の働く会社でも、納入した商品がねずみにかまれて故障したなどというのは良く聞くはなしです。昨日も地元エンジニアーからの報告で、ケーブルがねずみにかじられたが、かろうじて動いている、との報告がありました。(下の写真)別のところでは、装置のプラスチック製のつまみがねずみにかまれて、元々滑り止めに浅い溝を縦に切ってあるのですが、それがねずみにかじられて、溝がさらに幾筋も出来てしまったり、ささくれ立って、滑り止めどころか、手に刺さりそうになってしまったなんてのもありました。その報告者(日本人)からは、”インド人は手で食べるにもかかわらず食事のあと手を洗わないから、ねずみがかじったのだ” とありましたが、カレーの匂いがしたからつまみをかじったのかどうかは怪しいですね。なにせ何でもかじってしまうのですから。そのささくれ立ったつまみの写真が掲載できないのが残念です。またそれ以前には、ケーブルか基盤をかじったねずみが感電して、基盤の上で死んでミイラ状になっていたなんて、顔をしかめたくなるような”事件”もありました。

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大昔私が子供のころ、NHKの放送が突如消えてしまった事件がありました。なかなか原因が分からなかったのですが、結局ねずみがケーブルを噛み切った、という今では考えられないようなことが昔の日本でもあったのです。

機械のケーブルを嚙んだ、あるいは故障したというぐらいならまあなんとでもなりますが、今日(8月27日)の新聞には生後10日目の赤ちゃんがねずみに噛まれて、死んでしまったという記事が載っていました。しかも病院の中で。両親はその危険性があることを訴えていたそうですが、その病院はしかるべき措置をとらなかったからだ、と主張しているようです。公立とはいえデリーの病院のなかでこれですから、農村部ではよくあることなのかも知れません。またまたインドの悪いところを書くことになってしまい、内心とても残念でたまりませんが、事実は事実なので、一応書き留めておきます。

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サバの干物に挑戦

過日フィッシュマーケットで買ってきたサバ一匹が冷凍庫に残っている事を忘れていました。捨てようかとおもいましたが、冷凍されていたことだし、食べられないはずは無いということで、干物にしてみることにしました。昔自分で釣ったアジとサバを干物にしたことはあるのですが、塩加減などうろ覚えだったため、サイトで再確認。温度や湿気の高い夏は干物つくりには向いていないのだそうですが、冷蔵庫の中でさえ作れるならと、エアコンの効いた部屋の中で一日”干す”ことにして、その後しばらく日干しにすることで、”天日干し”に近い結果が得られるのではと勝手に決めて早速実行。干す前に13%ほどの塩水に30分ほど置いておくのですが、”その後水に流す” とサイトには書いてありました。しかしそれではせっかくの塩分が流れてしまうのでは?とこれも勝手に解釈して、そのままエアコンの効いた中で”部屋干し”。

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写真左は一晩エアコンの前においておいたサバです。そこそこ乾燥し、身が引き締まってきたみたいです。次は日干しですが、今でも日本の夏並みに暑いですので、比較的涼しい朝の時間帯を選び、ハエなどがたからないように、ざるをかぶせました。(右の写真)あまり長く外に出していると腐り始めるのではと思い、1時間ほど日に当てて冷蔵庫へ。なにせ朝でも25度以上ありますから。

半日冷蔵庫で寝かせて、さていよいよ焼き方です。部屋にはオーブンレンジが備え付けられているのですが、横着というか、レンジで魚が焼けるという”魔法のお皿”がありましたので、安直にそれを使用。魔法のお皿といっても所詮はレンジですから、焼くというより”蒸す”とか”煮る”に近いと思うのですが、日本でもそこそこ使えたし、何と言っても手軽ですからね。

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これは加熱後の状態ですが、焦げ目も無く、見るからに”焼いた”という感じが出ていません。火は通っているのは間違いないですが、果たしてお味の方は?たしかに水分が抜けて身が引き締まってはいましたが、残念ながら日本の干物と思って食べるとがっかりせざるを得ません。塩分もちょっと強すぎたか。やはりレシピに従って、水で流してから干せば良かった。でも文句言う相手も居ないので、”いい加減にやった割りには上出来か”と自己満足をするしかありません。でももうデリーでは二度とやらないだろうな、こんなこと。

 

インドのアフガニスタン料理屋

2週間ほど前の新聞にデリーのアフガニスタンレストランが紹介されていました。フィッシュマーケットを開くバングラデッシュからの移民のように、アフガニスタンからの移民もすくなからずいて、Lajpat Nagar Marketと言う地区に多くが集中し、そこでレストランを経営するアフガニスタン人にインタビューをしたものでした。

15年以上も前になりますが、パキスタンのアフガニスタンとの国境近くの街でアフガニスタン料理を食べさせてもらったことがあります。その時のパン(ナン)の味を思い出し、近いうちに是非そのLajipat Nagar Marketに行ってみようと思っていました。たまたま日本からお客様が来ていましたので、”私は羊は苦手です”というところを”羊以外もあるから”と強引に誘って行ってみました。もしお酒が飲めるなら夜でも良かったのですが、さすがにイスラムの国(店)はお酒はご法度でしょうからランチです。場所は事務所から比較的近く、車で20分ほどのところです。

その一角はアラビア語が氾濫しているのかと思いきや、デリーの他の地区とあまり変わりません。でもさすがに店にはアラビア語で表示しているだろうと、アラビア語の看板を目当てに探してしばらく行くと出てきました。もちろんなんて書いているかわ分かりませんが、ヒンズー語と違うことぐらいはわかりますし、英語の表示もあります。他にも何件があるはずなんですが、時間の限られたランチですので最初の店に迷わず決定。しかし入ってみると、この店はそこそこ有名なAfghan Darbar Restaurantという店で、ウエイターによると日本人も良く来ますよ、とのこと。偶然入った割にはラッキー。

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私はなんと言ってもシシカバブとアフガンブレッド(ナン)が食べたかったので、注文に迷うことはありません。日本からのお客は羊は苦手ということなのでチキンのケバブを注文。料理を待つ間に、アフガニスタンってアラビア語だっけ?それともアフガ二スタン語ってあったっけ?左隣はイランでペルシャ語だからやっぱアラビア語ではないんじゃない?などと言っている間に出てきました。まずはチキンコーンスープ。結構酸味が強くインドのものとは明らかに違います。お目当てのナンは自動的に2枚付いてきます、と言われたのですが、なぜか3枚も付いてきて、見てのとおりかなり厚みもあり1人で1枚も食べられないくらいです。

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これで720ルピー(約1,500円)。残念ながらナンは期待したほどではなかったですが、たぶん焼きたてではなかったのでしょう。暖め方も中途半端って感じ。羊の串焼きはVery Good。スパイシーですがあまり辛くもありません。生野菜はインドなので念のためパス。でも、また来て他の料理も試してみようかという気持ちにさせてくれました。ビールが飲めたら最高なんだけど、そういえば聞きもしなかったです。ここはインドなんだからひょっとしたらビールぐらい出したかも。ちなみに、アフガニスタン語などというものはなく、またアラビア語でもなく、公用語はパシュトー語とダリー語といって、どちらかというとペルシャ語に近い言語だそうです。やっぱりお隣ですからね。

カースト制度ーその2

ちょっと前の話になりますが、映画NH10のDVDを自宅で見ました。字幕付きのDVDは実に便利で、字幕が全部読み切れなくても、一旦止めて読めますから完璧です。映画館で見たときにはヒンズー語のみでしたので、ストーリーは分からず、単なるアクション物と思っていました。しかし、そのストーリーを知ってちょっと意外というか、こんなことって本当にあるのだろうか?と思わざるを得ませんでした。この映画、実はカースト制という問題を背景にした、むしろ社会派の映画だったのです。

簡単にストリーを記しますと、ある若いカップル(主人公)がドライブ中ある休憩所で、男5人組が別の若い男女に暴行を働いているところに遭遇。正義感から主人公の彼氏がそれを止めようとしたのですが、”家族の問題に首を突っ込むな” と5人組の一人に殴られてしまいます。実は暴力を振るわれていた若い女性は暴行側ボスの妹、男の方は妹の彼氏で、彼らはインターカースト、すなわちカーストが違うのに関係を持ったとして、その後別の場所に車で連れて行かれ、殴り殺されてしまいます。実は、殺した実の兄は、妹をインターカーストの”罪”で殺すかも知れないこと、家族の同意を得ているどころか、地元の警察もグルというか”承認”していたのです。主人公のカップルは、その後連れ去られた若いカップルを載せた車と偶然遭遇し、ひそかに追いかけていったところ思いがけず殺人現場をを目撃してしまいます。そこを彼らに発見されてしまい、一晩中追い掛け回され、男の方は殺され、女の方は一人で復習を果たす、と言った内容です。映画とはいえ、インドではまだそれほどまでにカースト問題が根強く残っているのでしょうか。

そこでローカルにその辺を解説してもらったところ、実はこの話、実際に起こった事件を元に映画化されたとのことです。実際の事件というのは、インターカーストで結婚はしたのですが、しばらくしてから嫁さんとその実の母親とで共謀して婿を殺してしまった、というものです。さらに問題なのは、このような事件が起こっても同じカースト同士がかばいあって、事件をうやむやにしてしまったり、犯人をわからなくしてしまったりするそうです。同じカースト同士そうして自分たちの”社会”を守ろうとするわけです。上位のカーストだけがそうするというわけでもなさそうです。選挙でも同じカースト出身者に投票するのが当たり前とか。どのカーストが最大なのか(大きくは4つに分かれ、それぞれまたサブカーストと呼ばれる細かい区分けが100以上もある)私は知りませんが、人数の多いカースト出身者は有利ですね。

江戸時代の士農工商のように、生まれたときに決まってしまうカースト制度。努力次第で上のカーストに上がる、なんてことはありません。上のカーストの人はともかくとしても、下の人たちはたまったものではありません。最下層の人たちは常に虐げられており、最後の手段としてヒンズー教から改宗してイスラム教に入信するひとたちも少なくないようです。

ということでカースト制度は結婚時には特にクローズアップされますが、まだまだインド社会の中に根強く残っているといえそうです。このテーマまた続きがあるでしょう。

独立記念日8月15日

今日は8月15日、インドの独立記念日です。そうです日本の終戦記念日と同じです。もちろん1947年のことですから1945年の日本の終戦記念日とはちがいますが、何か関係があるに違いない、と調べてみるとやはり多少関係がありました。1947年インドの独立手続きのためにイギリスから代表で来ていたマウントバッテン卿が、”日本が負けてからちょうど2年目の8月15日をインドの独立記念日としよう”と思いついて決めたとか。あまり関係ないけど無関係でもないといったところ。

独立記念日は、ほぼすべてのお店がお休み。部屋の掃除屋も卓球クラブも。今年は土曜日と重なっていますが、日本のように翌月曜日に代休という制度もありませんからちょっと損した気分。インドでは独立記念日のあたりはテロが警戒されるので、日本大使館からは人の集まるところ行かないように注意喚起されます。確かに先日もパキスタン国境に近い州(Jammu & Kashmir地方)では2度ほどテロがありました。テロに会う可能性は極めて低いですが、日本のように限りなくゼロに近いわけではないので、無理に危険な行動をとる必要もありません。外はまだ暑いし。

こういう記念日の前後は、飛行機に乗るとこれでもかこれでもか、と言うような荷物検査、身体検査がありうんざりさせられます。パスポートチェックの時(後)にはまあ仕方がないとしても、その後搭乗ゲート近辺で次々と3人もの検査官からチケットと荷物チェックを受けて、あろう事か飛行機を降りるときにもチケットのチェックが入ります。電車でもあるまいに、降りた後チケットのチェックしてどんな意味があるのでしょうか。これもまあ”ワークシェア”の一環かと思えば腹も立ちませんが。

さらにこの日は”ドライデー”と言って禁酒となります。酒屋は前日14日の16:00から16日(日)の朝まで閉まると聞いて、あわててGovindちゃん(運転手)に確保してもらいました。ホテルなど営業しているレストランがあってもお酒を出しません。お祝いなら余計に酒ぐらい出してよ、と言いたくなりますが逆です。基本的にヒンズー教徒にとって飲酒はかなりの悪事に扱われています。酒を飲んだ人間には近づくなとも言われているそうです。でも国にとってはもっとも重要な税収源の一つですので(デリーで38%の税率)、飲む人は止めないし、酒屋は日本並みにあります。インドではこんなドライデーが年に何日かあります。

下の写真は前日の金曜日夕方、ビルの同じ階に事務所を構える会社が集まり、簡単なお祝いをしている風景です。なぜかクイズ大会が開かれ、もっとも正解を多く出した我が社が優勝。わが社スタッフの教養の高さを証明してくれました?

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ところでインド国旗の3色ですが、オレンジは”勇気と犠牲”、真ん中の白は”平和”、緑は”公平”を表しています。真ん中のは私は糸車かと思っていたのですが、それは1931年にガンジーによって定められたもので、1947年の独立時には古代インド、アショカ王の記念塔から採った法輪(仏教の教え)を採用したものだそうです。

ワークシェア

自宅居間にはソファーは備え付けられていますが、座り心地がいいものとは言えず、いや正確に言うと寝転がってTVを見たり、本を読むには適していないので、リクライニングチェアーを購入することにしました。

地元のスタッフに良い家具屋はないか?と聞くと事務所の近くのGIP(Great Indian Place)というショッピングモールの1階にあるLife Styleという大きな家具屋がよいであろうとのアドバイス。早速仕事の帰りに寄ってみると、運よく50%引きセールを実施中。ソファーや食卓など日本の家具屋とほとんど同じように展示されており、適当なものがあるに違いないと、最初に目に留まった店員に”リクライニングチェアーはないか?”と聞くと、”ありません”とつれない返事。ちょっとがっかりしましたが、あたりを見て廻ると、ソファーでリクライニングが出来るのもありましたので、”じゃ、これらのソファーのバラ売りはしているか?”と別の店員に聞くと”OK”とのこと。しばらくして”本当はソファーではなくて、1人用のリクライニングチェアーが欲しいんだけど”と言うと、”あ、それならこちらにありますよ”とあっさり。さっきの店員はなんだったんだ!ま、これもインドではおなじみのことですが。

しかし選択はたった2種類。決めるのに1分もかかりませんでした。50%引きで20,000ルピーほど(約4万円)。自宅までの配達と組み立て料込み。多少の税金も上乗せされますが、こちらはお酒とちがって、州をまたいでも”越境税”はかかりません。では今度の土曜日に配達いうところまでは良かったのですが、組み立ては別の人が後日伺います、とのこと。しかもなぜか配達から48時間後というわけの分からない時間制限つき。48時間後は平日だし、”じゃ、自分で組み立てますけど”と言うと、”輸送中の事故や部品が足りないなど、もしなんかあったときに保証できませんが”と言われると、インドの物流のひどさを日々身にしみて体験している私としては、即”分かりました。では別途お願いします。でもなるべく翌日の日曜日に組み立てるようにしてください”とお願いして買い付け終了。でも日曜日には来てくれないだろうな。。。

さすが民間企業、ちゃんと事前の連絡が来て土曜日に荷物は届けられました。その配達人に、”組み立て屋さんは何時来るか知ってる?”と聞くと”明日”というではありませんか。一応ちゃんと聞いてくれていたんだ、とうれしくなりましたが、でも心のなかでは半分は疑っていました。案の定、日曜日にはなんの連絡もなくて、月曜日になって”今日の夕方行きます”との電話。でも当初の予定通り”48時間後”だから立派なもんです。

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しかしなぜ配送と組み立て人が別の日に来るのか。恐らくデリーから来るのでどちらも1時間以上掛けて来ているはずです。配達人は2人だったし、彼らが組み立てれば一回で済むのに。組み立ても見ていると誰でも出来そうです。案内書もついているし。日本人の感覚では分かりにくいですが、この”分業”はインドでは普通のことなんだそうです。分業というかワークシェアーがはっきりしています。もちろんどちらが上位の仕事でどちらが下とかいうわけではなくて、なるべく多くの人に仕事を分散しているように見えます。言い方を変えると、わざと非効率にしているわけです。なにせ人だけは山ほどいますので。

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私の住むアパートでも”エレベーターボーイ”というのが常駐しています。何をやっているというわけではありません。デパートのエレベーターガールと同じように、ご利用階を聞いて、そのボタンを押すだけです。若いお兄ちゃんが一日それをやっているのです。お陰で今では顔を見ただけで私の階を押してくれるようになっていますが。アパートのゲートでもなんと6人もの”ガードマン”がたむろしています。何をするわけでもありません。外部の人間が入るときには一応チェックしてはいますが、1人で出来る仕事です。そして地下の駐車場にも曲がり角毎におじさんが座っています。車が近づいたら、ただ手を動かして誘導するようなしぐさをするだけで、全く必要性は感じません。申し訳ないですが。

とにかく本日より安楽椅子でTVをみたり、本などが読めます。たぶんしばらくしたらうたた寝してしまうでしょうが、パイプ椅子でうたた寝するよりはずっとましでしょう。しょっちゅうエコノミークラスで夜を明かしている私ですから、もうベッドも要らないかも。

停電

今の日本では停電と言う言葉さえ死語になりつつあるように思います。筆者が子供の頃(何十年も前)でさえ日本では停電というものがまず無かったと思います。さすがです。東日本大震災のときに初めて停電という事態を知った人も少なくなかったのではないでしょうか。

ところがインドでは一日に一回は必ずあります。あっても数分で回復しますし、ちゃんとしたホテルでは発電機を備えているので、ほぼ瞬時に発電機からの電気に切り替わってくれますので、実害はほとんどありません。ただ、自宅の場合は、たとえば普通の電源をつかう時計などは、停電があると止まってしまい、その後電気が回復して時間表示がメチャクチャになってしまい使いものになりません。TVはケーブルTVですが、見ていなくても一旦停電するとチャンネルがオリジナルのヒンズー語放送に変わってしまい、その都度チャンネルを変えなくてはなりません。ちょっとしたことですが面倒いことです。

発電機の無いホテルの中で停電が起こったらそれは完璧な漆黒の闇の中に凍りつきます。自分の手をいくら近づけようが見えませんし、今いる位置を把握していなければ、一歩も動けません。今の日本では家の中にいようと外にいようと、星の明かりふくめてなにかしら光があるので、こんな漆黒の闇というのはまず体験できないでしょう。

実はこの停電問題、言い換えると発電と送電についてはインドの最大の問題の一つなのです。こんな状態では海外からの投資(工場誘致)もままなりません。要は供給が需要に追いついていないのですが、そのギャップはおよそ10%。ピーク時で17%と言われています。まだ送電時のロスが大きく、20%以上とか。盗電も多くて、それに拍車をかけています。送電ロスはどこの国でもありますが、通常は3-5%ぐらいと言われています。こんな状態ですから、先ほども書きましたようにホテルや工場は停電に備えて、本来買わなくていいはずの高価な自家発電機を備えなくてはならないため、コストが高くなってしまいます。そのせいかちゃんとしたインドのホテルは東京やシンガポールとほとんど変わりません。

少々硬いはなしになってしまいましたが、いまのところ停電での実害はほとんどないですが、もしバッテリーのないPC(デスクトップ)なんかを使っていたら大変でしょうね。社内では1-2台デスクトップがありますが、UPS(無停電電源装置)がバックアップしてくれています。もちろん(交通)信号も消えてしまいます。日本では信号が消えてるなんて考えられないですね。もっともこちらは、壊れて消えたままになっている信号も一杯ありますし、そもそも信号守りませんから、こちらも停電の実害ほとんどなし。なんとも不便のような便利なような。

 

お酒の値段は州ごとに違う

私の住んでいる地区は、グルガオンといって、デリーに隣接していますがハリヤナ州に属しデリー市内ではありません。会社のスタッフは、”お酒を買うならデリーで”といいます。なぜなら税金が安いから。どのくらい違いのか?おなじみのインドを代表するビール、キングフィッシャーで比較してみますと、650㏄の大瓶はデリーでは90ルピー(約180円)、ハリアナ州では120ルピー(約240円)でした。25%もちがわけですから、当然デリーで買ってハリアナに持ち込みたくなりますね。インドでお酒を買うと、”Delhiのみ販売”とか”ハリアナ州のみ”といったステッカーがついています。デリーで買ってグルガオンに持ち込むことは厳密にいうと”密輸”ということになって違法行為となります。税金は30%とか15%とか州により違いますが、一番安いのが観光地のゴア(元ポルトガル領)やポンディチェリー(元フランス)で5%ほどだそうです。こういった州ごとの税制の違いが実際のビジネスをとても複雑にしています。

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*写真では分かりにくいですが、”FOR SALE IN DELHI STATE ONLY”とあります。

さらに壜ビールと缶ビールの値段の違いも顕著です。日本も缶ビールのほうが割高なのは普通のことですが、それは壜を引き取ってもらう(一本5円?)ことを前提にしていますよね?こちらではそういう”リサイクル”という観念は一切なくて、それでも壜のほうが30%も安いのです。大瓶一本(650㏄)と500㏄の缶ビールは同じ値段。どうかんがえても壜を作るのと缶を作るのにそんなにコストの違いはないと思われますが。じゃみんな壜を買うのかというと必ずしもそうでもないですね。やはり缶の手軽さというのは捨てがたいものがあるようです。

日本にはライトビールというのがありますが、インドでは逆に”ストロングビール”というのがあります。アルコール濃度8%。(通常は5%ぐらい)ビールとワインの中間ぐらいで、私個人的にはビールらしくなくてあまり好きではありませんが、インドではどちらかというとストロングの方が人気があります。値段は同じですから、酔うという目的からするとコスパは良いですからね。

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*左が”Strong”でアルコール8%。右が”Light”と言われていますが5%で普通のビールです。

インドの水事情

インドの水の危険さは、先日”恐るべしインド菌”でもご紹介したとおりです。インド人でも水道水の水はそのまま飲みません。水には細心の注意を払っていても、お腹をこわす人の多くの場合は水が原因と思われます。この問題はミネラルウォーターさえ飲んでいれば解決でしょうが、洗濯するにはまさかミネラルウォーターというわけにもいかず、水道水を使わざるを得ません。しかし、困ったことにインドでは洗濯を重ねる毎に洗濯物が徐々に黒ずんできます。

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写真の左側は新品ではないですが、比較的新しいタオルと、右側は何度も洗濯したものです。写真ではあまり目立たないかも知れませんが、実際には日本人がみたら”なんだこの汚いタオル”と言うでしょう。この原因は砂、それも超微細な砂と雑菌の仕業と言われています。インドのホテル、それも4スター以下のホテルで泊まった経験のある人なら、こんな黒ずんだタオルを使った経験があるでしょう。必ずしも汚いわけではありません。

目に見えるような大き目の砂なら沈殿したりということで取り除けますが、微細なものは水のなかに溶け込んだような状態にあり、簡単には除去できません。雑菌も同様です。その水で洗濯をすると洗濯物の繊維のなかに入り込み、徐々に黒ずんでくると考えられています。ですからシャワーなども微細な砂や雑菌が混じっていることになります。もちろん使っていると体が黒ずんでくるようなことはありませんが、シャワー後もさっぱり感が薄いというか、表現が難しいですが、すすぎ感が足りないような感じがします。気のせいかも知れませんが。ひょっとしたら髪の毛の太さの何十分の1というような細かい砂が髪の毛のなかにこびりついているのかも知れません。一度電子顕微鏡で見てみたいですね。

そこで水のフィルターをシャワーにも導入することにしました。(もちろんキッチンには付けています)韓国系のショップで取り扱っているのですが、わずか5分で取り付け完了。約3,000円。

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で、使用後の感想はいかに?うーん、残念ながら顕著な違いは発見できず。単なる気のせいだったかも知れません。あるいは写真のようにフィルターが一つのみですので、浄化が不十分なのか。(キッチンのはもう一回り大型のフィルターが3段もついています。こちらは浄化された水をそのまま飲んでも大丈夫です。)

それにつけてもきれいな水が豊富にある日本は本当に豊かな国です。そして日本よりきれいな国を私は知りません。残念ながら町並みなどはそれほどではないですけど、国全体としてはそれはそれは美しいと思います。ヨーロッパは街がきれいですが、水は豊かではないですよね。ニュージーランドが日本に近いぐらいでしょうか。きれいな水はなにものにも換えがたいです。